小さい頃は親の言うことを聞き、何でも話してくれた子どもも、成長するにつれ親離れしたり、親に反発したりと、何を考えているか分からないことが増えてきます。

それどころか、勉強することに消極的で学校の宿題をこなすのがやっと。家庭学習や塾の宿題にもほとんど手をつけず、毎日のように親子げんかになってしまうというケースも…。そんな状況を改善しようにも、子ども本人のやる気が湧いてこなければ根本的な解決には至りません。

こうした堂々巡りを繰り返すのは、家庭内の雰囲気を悪化させるだけです。大切なのは、「やる気が出ない」のを子どものせいにするだけではなく、一度立ち止まって親子で考え、対策を講じていくこと。では、やる気を引き出すにはどうすればいいのか、好転の糸口を見つける方法を考えていきます。

やる気が出ない原因は一つではない

一口にやる気が出ないと言っても、原因は一つとは限りません。「親から口うるさく注意されて気力がそぎ落とされる」「友だちとケンカをして悩んでいる」「学校の成績が下降気味だがどうすればいいか分からない」など、大人と同じように人間関係や学校生活で深く悩むことがあるものです。

大きくなると素直に悩みを口にすることが減ってくるため、子どもの本心が見えなくなってきます。親としても何を考えているのか分からず、声を荒げて真面目に勉強に取り組んでいないことを叱り、家庭内がギスギスしてしまうといった悪循環に陥ることも珍しくありません。

また、悩みを複数抱えているとすぐに立ち直るのは難しく、落ち込んでいればやる気が出にくくなるものです。場合によっては、カウンセラーや医療の力を借りることが必要なくらい思いつめている可能性もあります。