「100歳まで生きたら」貯蓄の切り崩し額のトータルは?

「人生100年時代」とうたわれるいま。

先ほどの生活費の目安をもとに、70歳から100歳まで生きた場合の取り崩し金額を計算してみましょう。トータルの金額は、必要最低限の日常生活であれば720万円、ゆとりある生活を送りたい場合は5760万円です。

通院にタクシーを使う機会や、調理済のおかずを買うことが増えるなど、こまごました出費が増えることは想定しておく必要がありますね。

また、孫へのおこづかい、友人との交際費といった「お楽しみのためのお金」、そして冠婚葬祭費用なども老後の必要経費といえるでしょう。

ただし、上記はあくまでも調査結果に基づく平均額です。実際に必要となる金額には当然個人差があります。さらに「生活費」の計算には介護費用が含まれていない点にも注意が必要です。

健康状態と「介護費用」も意識しよう

老後のお金事情を左右する大きな要因のひとつが「健康状態」さらには「介護問題」でしょう。

足腰の具合によっては、自宅をバリアフリー改修するための大がかりなリフォームが必要な可能性も。さらに要介護度が上がれば、老人ホームなどへの入居も検討が必要となるでしょう。

老人ホームの入居に必要となる金額は、施設の内容や地域、そして入居年数によっても差がでるところ。とはいえ、ひとりで1000万円以上、ないしは2000万円以上必要となるケースも珍しくありません。

お住まいの交通の便、家族構成やライフスタイル、そして健康状態などを考慮しながら、「わが家はどのくらい老後資金が必要か」の目安を把握していけると理想的ですね。

いずれにせよ、年金以外の自己資金をしっかり準備しておく必要がありそうです。