年収200万円以上の後期高齢者が2割負担に
現在の医療費の自己負担割合は、70歳になるまでが3割、70~74歳が2割負担、75歳以上の後期高齢者で1割負担となっています(70歳以上であっても現役世代並みの収入がある場合は3割負担)。
このように原則1割になっている75歳以上の医療費の負担が、単身で年収200万円以上、夫婦で年収計320万円以上の世帯では2割にアップされます。この12月22日、政府はその実施時期を2022年10月に決定しました。
年収200万円を、ひと月当たりにすると16.6万円。約1850万人いる75歳以上の高齢者のうち、約370万人が対象になるとされています。1割から2割に引き上げられると、持病があって定期的に通院している人にとっては、家計を圧迫する要因の一つになりかねないでしょう。
おわりに
団塊の世代が70代になり、医療費の自己負担が少しずつ引き上げられています。団塊ジュニアである40代後半の世代が老後を迎える頃には、もしかしたら、一生、現役世代と同じ自己負担率ということもあるかもしれません。
老後を見据えて老後資金を準備するのは当然のことですが、病気にならない健康的な体を維持することも、これからますます重要になってくるといえるでしょう。長年の習慣を変えるのはそう簡単ではありませんが、無理のない程度に日々の生活の中で健康を意識してみるのもよさそうです。
参考資料
- 2019年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)
- 家計調査報告 [家計収支編] 2020年(令和2年)平均結果の概要(総務省統計局)
- (参考)医療保険制度の「現役並み所得者」について(厚生労働省)
中野 令子