紙ベースの読書と電子媒体の読書に差はあるのか

さて、近年は読書スタイルそのものが大きく変わってきました。電子書籍の普及により従来の紙媒体だけでなく、スマートフォンやタブレット端末での読書も浸透しつつあります。

この読書媒体ごとの分析結果でも、意識・非認知能力に差が出ました。読書媒体は以下の5つのグループに分類されていますが、紙媒体中心に読書活動を行っているグループが最も高く、次いでパソコン、スマートデバイス中心群が続いたのです。

  • 紙媒体中心群
  • スマートデバイス中心群
  • パソコン中心群
  • パソコン、スマートデバイス中心群
  • 読書時間低群

電子書籍の存在感は年々増していますが、紙媒体で本を読むことで意識・非認知能力がより高まるという結果が出たのは興味深いことです。

今後は、デジタル教科書など電子書籍が当たり前という世代が増えてきます。そのため、同様の調査を継続していく中で、今回と同じ傾向が出続けるのかどうかは不明です。ただし、アプリゲームなど誘惑の多いスマートフォンに比べれば、紙媒体の読書の方が活字に集中しやすいのは容易に想像できます。

学力以外の要素でもメリットが多い読書

今まで読書というと学力と結び付けられることがほとんどでしたので、国立青少年教育振興機構の調査研究は、読書効果に新しいメリットを付け加える画期的なものです。

一方で、昨今は学力と経済力の相関が指摘されることが多くなっていますが、認知能力と非認知能力双方に好影響を与える読書は、図書館などを上手に利用すれば出費を抑えることもできます。

これまで経験則で語られてきた読書効果ですが、今後はさらに多角的に調査し、そのメリットを幅広い世代に周知していくことも、読書活動のさらなる推進につながるのではないでしょうか。

参考資料

中山 まち子