2021年も残りわずか。慌ただしい年の瀬がやってきました。

今年1年のできごとを振り返りながら、健康面やお金の面など、それぞれの新しい目標を立てていきたい時期でもありますね。かつて「老後2000万円問題」が注目されて以降、老後を見据えたマネープランに関心を寄せる方も増えています。

さて、女性の方が男性よりも長寿の傾向にあることは、ご存じの方も多いでしょう。厚生労働省「簡易生命表(令和2年)」によると、男性の平均寿命は81.64年、女性の平均寿命は87.74年。その差は約6年です。

夫婦が同年代、または妻の方が年下の場合は、夫が先に亡くなるカップルが多くなるでしょう。

女子の老後、とりわけ「ひとりで過ごす老後」は思ったよりも長いものになりそうです。そこで気になるのが「将来どのくらい年金をもらえそう?」という点かもしれません(※編集部注)。

民間企業の会社員が受け取る厚生年金の男女平均額は約14.4万円。ただし、実際の受給額には個人差・男女差があります。

そこで、今回は「女性の厚生年金事情」にフォーカスしてお話ししていきます。男女の平均額である約15万円を受給できている女性はどのくらいいるのかも、ちょっと気になりますね。

【※参考記事】「基礎年金と厚生年金」結局いくらもらえるの?

ねんきんのしくみを復習!

あらためて「2階建て構造」などと呼ばれる、日本の年金制度をおさらいしましょう。

1階部分にあたるのは、国民年金です。加入対象は、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人で、保険料は皆一律です。

厚生労働省年金局「令和元年度(2019年) 厚生年金・国民年金事業年報」によると、平均受給額は、男子5万8866円、女子5万3699円となっています。男女で大きな差はなさそうですね。

2階部分となるのは厚生年金です。加入対象は、70歳未満の公務員や会社員で、要件を満たせばパートタイマーやアルバイトでも対象となります。

厚生年金の保険料は収入に応じた額を納める「報酬比例」のしくみとなり、人それぞれ違います。企業と社員とが折半して保険料を支払うしくみです。

厚生年金保険料を支払うと、国民年金と厚生年金の両方に加入していることになります。そのため、受給額は「国民年金」+「報酬額と加入期間で決まる厚生年金」となります。

次では厚生年金の「男女差」について、詳しく見てみましょう。