「資産運用」のコツ:金融商品を選ぶ基準は?

さて、同資料によると、資産運用を行うときの、金融商品の選択基準が集計されています。年代別に見ていきましょう。

金融商品の選択基準(金融資産未保有世帯含む)

【40歳代→50歳代】

  • 収益性:25.6%→17.9%
  • 安全性:30.4%→36.6%
  • 流動性:20.0%→24.6%
  • 商品内容がわかりやすいから:6.2%→4.6%
  • その他:13.5%→14.5%
  • 無回答:4.2%→1.8%

「収益性」は年齢層が上がるごとに選択基準から外れ、代わりに安全性や流動性が増しています。集計を詳しく見ると、収益性は「30歳代」の32%から「70歳代以上」まで減少し続けます。

一方、安全性や流動性は50歳代から70歳代以上で高くなる傾向にあります。

では、実際のところ、どのような心構えで資産運用をおこなうとよいのでしょうか。

  1. 運用の目的を決める(老後資金)
  2. いつまでにいくら必要か目標金額を決める
  3. 目的・目標金額・ご自身の性格に合った手段を選ぶ
  4. (長期間運用できる場合)成長が期待できる資産で長期積立投資を選ぶ
  5. 運用・積立できなくなるリスクを保険でカバーする
  6. 目標が近づいてきたら、資産を減らさないよう守る運用に切り替える

あくまで老後資金を目的とした場合ですが、ざっくりいうとこのような流れになります。

この流れに沿うと、60代や70代は運用目標を達成している場合が多いでしょうから、安全性や流動性のある金融商品が判断基準になるのはよくわかりますね。

一方、20代から40代くらいまでは収益性を重視し、成長が期待できる資産に資産を振り分ける視点を持ってみると良いでしょう。

その理由は、「成長している資産」で運用しないと、大きな資産を作ることが難しいからです。

年率6%と1%の複利で、毎月5万円30年間積立運用した場合、資産がどのくらい増えるか、その差を比べてみましょう。

※金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算

「毎月5万円」を30年積立運用した場合の積立総額:1800万円

  • 年率1%で運用できた場合:約2098万円
  • 年率6%で運用できた場合:約5022万円

運用方法(利率)が変わるだけで、これほどの差が出るのです。