シニア世代の「お金の終活」~認知症になってしまう前に~

資料を整理できたら、次は「お金の整理」です。

これは、シニア世代(親の世代)が、「自分自身の認知症対策」としてやっておくべき大切なことです。

(1) 預貯金

整理をしていると、既に使っていない口座の通帳を見つけることもあるでしょう。こういった口座は必ず元気なうちに解約しておきましょう。

たとえ残高がほんの数百円だった場合も、それは立派な財産です。口座を残して亡くなった場合、遺された家族に相続手続きをしてもらう手間がかかります。あらかじめご自身で解約しておくことが大切です。

(2) 保険

保険については、資料を整理したタイミングで保障内容を再確認します。

老後の生活に無駄な保険料を支払う必要はありません。現在のご自身の資産能力や健康状態などを考慮したうえで、必要のない保険については解約もしくは見直しをしましょう。

(3) 投資

株式や投資信託などについては、家族に遺すのか、もしくはご自身の老後の生活のために使い切るのかを見極める必要がありますね。

老人ホームへの入居や、海外旅行など「ご自身のため」に使う予定があれば、できるだけ早く現金化しておくことも視野にいれるとよいでしょう。

認知症などを発症し判断能力が低下してしまうと、預貯金の解約、株式や投資信託の売却といった法律行為ができなくなるので、注意が必要です。

不動産については今回は触れませんが、まずは最低限、「預貯金」「保険」「投資」の3つについて、この程度の整理はしておきましょう。何よりも家族に迷惑をかけないためです。