60代「おひとりさま」の貯蓄額は?

次は、60代のおひとりさま世帯に視点を移します。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」から貯蓄の分布を見ていきます。

【60歳代・単身世帯】金融資産保有額

(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:29.4%
  • 100万円未満:9.1%
  • 100~200万円未満:5.0%
  • 200~300万円未満:3.3%
  • 300~400万円未満:4.8%
  • 400~500万円未満:2.9%
  • 500~700万円未満:5.3%
  • 700~1000万円未満:5.2%
  • 1000~1500万円未満:7.2%
  • 1500~2000万円未満:4.5%
  • 2000~3000万円未満:6.7%
  • 3000万円以上:13.8%
  • 無回答:2.8%

平均:1305万円 中央値:300万円

中央値は300万円。二人以上世帯とに比べると約500万円ほど下がります。金融資産500万円未満の方は約5割。一方で1000万円以上保有する人は約3割です。おひとりさま世帯でも、まとまった貯蓄を用意している人としていない人で二極化することがわかりました。

老後2000万円問題は夫婦2人で試算されていますが、おひとりさまでも安心はできません。実はこの試算は住居費が1万3000円台で計算されています。

賃貸住まいで月の家賃が5万円であれば、20年間、家賃だけで1200万円が必要です。3万円の家賃であれば、20年で約720万円まで下がりますね。家賃が低いところに住むなどの工夫が必要でしょう。

さらにこの試算の中には「介護費」が組み込まれていません。老人ホームなどの施設に入る場合、ひとりにつき1000~2000万円ほど必要ともいわれます。この部分についても別途上乗せで準備していく必要があるわけです。