米株が週末に下落、日本株もつられる可能性

2021年11月19日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より147円21銭高の2万9745円87銭でした。

政府は19日に閣議決定を行い、55.7兆円の財政支出を行う経済対策を決定。これを好感した投資家の間に買いが広がりました。ただし、心理的な節目となる3万円直前では利益確定の売りなども出ています。

今週の展開はどうなるでしょうか。一つ心配なのは、海外、特に欧州で再び新型コロナウイルス感染が拡大傾向にあることです。オーストリアでは22日から全土でロックダウン(都市封鎖)を実施する予定で、ドイツなどでも規制を厳しくする方針です。

これらを受けて、19日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が前日比268ドル97セント安の3万5601ドル98セントとなりました。

旅客需要が減速すると想定されることから、航空機のボーイングが売られ大幅安となっています。米国内でも北東部や中西部で感染拡大が見られ、このまま感染者数が増え続けるとクリスマスを含む年末商戦への影響も懸念されます。

一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、連日で過去最高値を更新しています。日本株がダウ平均の連れ安になる可能性もありますが、ナスダックの上昇につられてハイテク株などの銘柄は買われるかもしれません。

日本株は米株に比べて出遅れ感がありましたが、見直しの買いが入ってもいいころです。国内では新型コロナの感染者数も落ち着いており、経済活動再開への期待が高まります。

実際に、上場企業の2021年4~9月期決算が相次いで発表されましたが、多くが利益を伸ばしています。19日の東証1部の売買代金は概算で2兆9270億円と、商いもまずまずといったところです。

3万円直前では利益確定売りが出そうですが、全般的には底堅い動きになるのではないでしょうか。直近では大きな材料はないのですが、目線を上に持って銘柄を物色したいところです。