短期的な上昇トレンドに支えられてしっかり
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週半ばにはいったん、25日移動平均線付近まで下げたものの、その後は陽線となって反発。
10月6日の安値(2万7293円)を大底とする短期的な上昇トレンドが形成されており、ちょうどそのチャネルの下限で跳ね返った形となりました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。チャートの形は悪くありません。短期的な上昇トレンドラインに沿って、高値、安値ともに切り上がっています。
25日線、75日線、200日線の、主要なトレンドラインが上向きになり、75日線が200日線を下から上に抜けるゴールデンクロスが形成されようとしています。
11月16日にはザラ場の高値が2万9960円と、3万円まであと40円に迫りました。直近の戻り高値である11月4日の高値(2万9880円)も超えています。
今週、いきなり3万円超えで寄り付く可能性もあり、その場合、上値メドは9月14日の高値(3万795円)になります。そこを抜けると視界が広がっており、一段上のステージに上がることも期待できます。
ただ、心理的節目となる3万円を突破できない場合、しばらくもみ合う可能性もあります。25日線、75日線、200日線までの距離が近いのは少し心配です。
これらを割り込むと押しが強くなります。直近の押し安値である11月11日の安値(2万9040円)を割り込むと、その一つ前の節である2万8500円付近まで下げる可能性もあります。
ただし、その場合でも、中長期的には上昇トレンドが継続しており、押し目買いの好機と考えていいでしょう。3万円超えに期待しながら目線を上に持ち、チャンスを生かしたいところです。
下原 一晃