年金を受給するために「必要な条件」とは?
老後の国民年金(基礎年金)・厚生年金の受給額事情についてながめてきました。ただし、いずれも年金受給の要件を満たした場合にもらえる年金額です。年金を受け取るためには、決められた条件を満たしている必要があります。
では、冒頭のページで触れた「受給条件」について整理します。
「老齢基礎年金」の受給条件とは
- 保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に、65歳から受け取ることができる
- 20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた人は、65歳から満額の老齢基礎年金を受給できる(令和3年度の国民年金の満額:月額6万5075円)
- 保険料を全額免除された期間の年金額は2分の1(平成21年3月分までは3分の1)となるが、保険料の未納期間は年金額の計算の対象期間にならない
「老齢厚生年金」の受給条件
- 厚生年金の被保険者期間があり、先述の老齢基礎年金の受給資格期間を満たした人が、65歳になったときに、老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受給できる
- 当分の間、60歳以上で一定の条件を満たしている場合、65歳になるまで特別支給の老齢厚生年金を受給できる
年金生活に「ゆとり」をプラス!
現在のシニア世代の年金受給額を、男女別・年齢ゾーン別にみたあと、年金の受給要件についても触れました。
公的年金の支給額は、物価や賃金などを考慮して、毎年見直されます。私たち現役世代が受給者となるころに、現在の給付水準が続いているとは限りません。とはいえ、今の受給額事情を知ることは、老後を見据えたマネープランを立てる際の何らかの参考となりそうです。
年金保険料の未納がある場合、障害年金や遺族年金の支給に支障をきたす恐れがあります。公的年金は、老後以外の「まさかのとき」に頼りになる、セイフティーネットであることを忘れずに。
年金は「きちんと納付&しっかり受給」が基本です。無年金・低年金を避ける工夫はさることながら、自分で「3階部分」の私的な年金を上乗せして作っていく視点も持ってみましょう。
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やつみたてNISAといった税制優遇制度の活用を検討するのもよいですね。いずれも自己責任で選んだ金融商品で「資産運用」を行う制度です。投資ビギナーの方は、まずは情報収集からスタートしてみませんか?
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参考資料
- 厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」