働く世代の資産形成の手段として、「イデコ(iDeCo)」や「つみたてNISA」といったつみたて投資に注目が集まっています。ただ、いずれもそれぞれ金融庁や厚生労働省が準備してくれた制度であるため、活用する際の注意点は少なくありません。
今回は、iDeCoの運用資産が1000万円を超えた40代サラリーマン投資家のRさんにイデコを使う際のポイントやつみたてNISAとの比較を伺いました。
Rさんは、以前の勤務先に企業DC(企業型確定拠出年金)があり、転職した際にiDeCoに切り替えた方です。企業DCを含めてここまでの累計投資額は672万円で、2021年11月現在の資産評価額は1000万円を超えています。含み益は投資累計額の49%に達しています(※画像を参照のこと)。
Q1. これから資産運用始めるのであればどちらがいいでしょうか?
A1. 正直手っ取り早く始めるなら、「つみたてNISA」だと思います。現状のイデコは加入できる人とそうでない人がいるので(※編集部注:2022年には加入資格の変更があります)、本当に資産運用はこれから、という方にはとっつきにくいと思います。現状は勤務先の年金制度次第で加入できるのかどうかを確認する必要もあります。
加えて、イデコは年金制度の一部なので、一度始めると原則は60歳まで引き出せません。したがって、何かあった時には機動的に換金して引き出したいという方にはイデコは不向きです。
よく、ファイナンシャルプランナーの方で「引き出せないことが運用にとってはいい」ということ言われる方がいるのですが、確かに長期投資ということを考えれば複利を活用しながら運用することになるので一度始めたら運用しっぱなしがいいということになります。
ただし、イデコに全額投資しているというのは認めますがおすすめしませんね。万が一のことがってお金がどうしても必要な時に引き出せませんから。