産油国のカルテルが崩壊すれば、原油価格が暴落する可能性もあり得ます(塚崎公義、経済評論家)。
原油価格は需給と投機で動く
原油価格は、実際に原油を売る人と買う人の需給に加え、投機でも動きます。もっとも、投機は需給が逼迫しそうな時には買い、緩みそうな時には売る傾向があるでしょうから、多くの場合には需給による価格変動を拡大する要因と考えて良いでしょう。
したがって、現在は高騰を続けている原油価格ですが、需給が緩みそうだという思惑が広がれば、暴落する可能性もないとは言えません。
原油価格は日本経済や世界経済への影響が大きく、消費者にとってもガソリン価格等々が気になるところですが、加えてインフレ要因として金融引き締めを招くことになれば、株価への影響も大きいかもしれず、大いに注目されるところです。
産油国の協調が崩れれば暴落の可能性も
世界の景気が回復を続けるとすれば、原油の需要急減は考えにくいでしょうが、中国のバブル崩壊による需要急減といった可能性はあるかもしれません。より注目されるのは、産油国によるカルテルの失敗です。
産油国は協調減産をしていますが、各国が約束を守らずに増産に走れば、供給が増加して原油価格が下落するでしょう。それを見越した投機筋の売りが価格を暴落させる可能性には要注目です。