暴落のメカニズムは「囚人のジレンマ」
協調減産というカルテルは、囚人のジレンマ状態にあるので、各国が増産するインセンティブは決して小さくありません。
囚人のジレンマというのは、下の表のように、「相手が約束を守ろうと守るまいと、自分は約束を破った方が得だ」とお互いが認識している状況のことです。
カルテルが維持されるならば、自分だけ増産すれば大儲けができるでしょうし、カルテルが維持されないならば、自分だけ減産を続けるのはバカバカしいと各国が考えているわけですね。
値段が下がると生産量が増える可能性も
通常は、値段が上がると売り注文が増えるのですが、原油の場合には値段が下がると売り注文が増えるという可能性も否定できません。
産油国の中には歳出を原油代金で賄っているところもあるでしょうから、そうした場合は原油価格が下がると多くの原油を生産・販売して歳出に必要な売上代金を確保する必要があるからです。