一方で、家庭内のデメリットも……

一方で、手放しで喜べないという方もいるでしょう。特に乳幼児や小学生のお子さんがいる家庭では、育児を主に担う女性が働く時間を増やすのは、心身ともに厳しいところがあります。

乳幼児はお世話が大変ですし、小学生でも宿題を見たり、平日の習い事や塾の送り迎えをしたりするため、あえてパートタイムで働く女性は多いです。「手取りが減るから働く時間を増やしたいけど、体力が持たない……」というのが本音の方もいるのではないでしょうか。

2021年10月19日に公表された、明治安田生命が0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女1100人(うち女性550人)に行った「子育てに関するアンケート調査」によれば、子育て中の女性の収入は163万円というデータもあります。

同調査では、専業主婦で働く意欲のある方はおよそ8割。一方で働けない理由として、「実家が遠方にあるため、周りに助けてもらえないため」(26.2%)という環境の問題、「体力面に不安があるため」(22.4%)という自身の体力の問題、「保育園が見つからないため」(21.3%)や「保育園以外で預け先がないため」 (20.2%)という預け先の問題など、さまざまな問題がみられます。

女性が働く時間を増やす場合には、男性側の協力はもちろんのこと、こういった面での体制を整える必要があります。

ただ、これらの問題で悩みやすいのは子どもが乳幼児~小学生の間でしょう。中学生になれば教育費のために働く時間を増やしたい方、老後が近づいてきて貯蓄を増やしたい方などもいます。

各家庭に合った働き方を

家庭によって環境や事情は異なるもの。働く時間や社会保険への加入については、無理のない範囲で、「わが家ではどうするか」を相談すると良いでしょう。今は難しくても、「子どもが入園・入学したら」「小学校高学年になったら」など、段階的に計画を立ててみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子