総務省統計局「家計調査年報」によると、65歳以上のリタイヤ世帯のひと月の合計支出額は、単身世帯で14万4687円、夫婦世帯で25万5550円。介護費用などを含まない、いわば「必要最低限の生活」に必要となるお金です。
これらの世帯の主な収入源は「公的年金」ですね。ちなみに2021年度の厚生年金のモデル年金(※)は夫婦で月額22万724円。ライフスタイルや健康状態にもよりますが、年金だけで暮らしていける世帯はごく少数派でしょう。
では、このモデル年金と同程度の年金額を「ひとりで」受給できている人はどのくらいいるのでしょうか。今回は、ひと月の年金額が25万円を超える人はどのくらいいるのか、厚生労働省の資料をもとに見ていきます。
※モデル年金:40年間「夫がサラリーマン・妻が専業主婦」だった世帯が受給する標準的な年金額
【関連記事】「基礎年金と厚生年金」結局いくらもらえるの?
「厚生年金・基礎年金」しくみを復習!
日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)・厚生年金」、2つの年金制度で構成されます。
1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」は年金のベースとなる部分。日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務があり、保険料は全員一律です。
会社員や公務員、私立学校の教職員などは、国民年金に上乗せする形で「厚生年金」に加入します。収入に応じた厚生年金保険料を給与天引きで納めます。
次は、老後の年金額について見ていきます。