【SDGs】富士フイルムホールディングスのESG戦略とは?その内容と解説
~投資家必見!有名企業のESG戦略分析シリーズ~
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昨今、企業のESGに向けた姿勢への注目度が高まっています。ESGとはE(環境)、S(社会)、G(企業統治)の英語の頭文字をとったものです。今回は様々な上場企業がESG戦略を検討、実施する中で、富士フイルムホールディングスを取り上げ、同社のESGに対する取り組みをご紹介します。
E(環境):2030年目標を一部達成、新たな目標設定でより活発化!
同社は環境面において、すべての製品に関連して調達、製造、輸送、使用、廃棄に至る製品のライフサイクル全体を考慮し、設計段階から気候変動対応(省電力など)、省資源・資源循環(リデュース・リユース・リサイクル)、化学物質のリスク低減、生物多様性保全などの観点で、独自の定量的な環境品質目標を設定しています。
各環境目標は2030年度の達成が想定されていますが、資源循環の一部の目標を除いて取り組みは良好に進捗しており、とりわけ「CO2排出削減における活動」については、製造段階での省エネルギーと環境負荷のより低い製品・サービスへの移行が寄与し、2030年の達成をめどにした目標を前倒しで達成済みです。
同社は気候変動における活動の進捗を踏まえ、既に達成済みの「CO2排出削減」などの目標については上方修正し、また「化学物質の管理・活用」という新たな項目の目標を設定するなどして、取り組みをより加速化させています。
同社はこのように環境面で自社目標を掲げ、一部を前倒しで達成するほか、追加的に新たな領域での目標を設定するなど、環境への配慮において上場企業の中でも非常に意欲的な姿勢を見せています。こういった取り組みはSDGsの掲げる17つのゴールのうち、環境関連(ゴールナンバー:7、13、14、15)とも密接に関連しており、ESG、SDGsの両面で優れた取り組みを進めているといえるでしょう。
※SDGsのゴールについては末尾に参考情報として掲載していますので、ご参照ください。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03