昨今、企業のESGに向けた姿勢への注目度が高まっています。ESGとはE(環境)、S(社会)、G(企業統治)の英語の頭文字をとったものです。今回は様々な上場企業がESG戦略を検討、実施する中で、富士フイルムホールディングスを取り上げ、同社のESGに対する取り組みをご紹介します。

E(環境):2030年目標を一部達成、新たな目標設定でより活発化!

同社は環境面において、すべての製品に関連して調達、製造、輸送、使用、廃棄に至る製品のライフサイクル全体を考慮し、設計段階から気候変動対応(省電力など)、省資源・資源循環(リデュース・リユース・リサイクル)、化学物質のリスク低減、生物多様性保全などの観点で、独自の定量的な環境品質目標を設定しています。

各環境目標は2030年度の達成が想定されていますが、資源循環の一部の目標を除いて取り組みは良好に進捗しており、とりわけ「CO2排出削減における活動」については、製造段階での省エネルギーと環境負荷のより低い製品・サービスへの移行が寄与し、2030年の達成をめどにした目標を前倒しで達成済みです。

同社は気候変動における活動の進捗を踏まえ、既に達成済みの「CO2排出削減」などの目標については上方修正し、また「化学物質の管理・活用」という新たな項目の目標を設定するなどして、取り組みをより加速化させています。

同社はこのように環境面で自社目標を掲げ、一部を前倒しで達成するほか、追加的に新たな領域での目標を設定するなど、環境への配慮において上場企業の中でも非常に意欲的な姿勢を見せています。こういった取り組みはSDGsの掲げる17つのゴールのうち、環境関連(ゴールナンバー:7、13、14、15)とも密接に関連しており、ESG、SDGsの両面で優れた取り組みを進めているといえるでしょう。

※SDGsのゴールについては末尾に参考情報として掲載していますので、ご参照ください。