数カ月前、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化していた頃には「強制貯蓄」なる言葉をしばしば耳にしました。そして、感染状況が落ち着きつつあるいま、「リベンジ消費」なる言葉がトレンドに上がっているようです。

現役世代まっただ中の世代であれば、「コロナ禍で使う機会が減っていたお金を、ここぞとばかりに使おう!」と財布の紐を緩める方も多いかもしれません。

しかし、年金を受取る一歩手前、「プレ年金世代」の50代となるとどうでしょうか。せっかく蓄えが増えたならば、将来のために手元に置いておこうと考える人も少なくないでしょう。

私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ、50代世帯の貯蓄事情を紐解きながら、老後のお金についてお話ししていきたいと思います。

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「プレ年金世代」50代の世帯の貯蓄事情

では、50代世帯の貯蓄事情を見ていきましょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年調査結果」を参考にします。

50代世帯の貯蓄事情

「金融資産を持たない=貯蓄ゼロ」世帯が約13%。

50代・二人以上世帯の金融資産保有額

(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均…1684万円・中央値…800万円

金融資産非保有:13.3%・100万円未満:6.4%・100~200万円未満:5.3%
200~300万円未満:5.3%・300~400万円未満:2.8%・400~500万円未満:3.4%
500~700万円未満:8.3%・700~1000万円未満:9.2%・1000~1500万円未満:11.7%
1500~2000万円未満:5.7%・2000~3000万円未満:10.8%・3000万円以上:13.8%
無回答:3.9%

※「平均」は一部の極端に大きい値に影響されて、数値が大きくなりやすい傾向があります。「中央値」がより実態に近く、参考になりやすいでしょう。

50代・二人以上世帯の貯蓄額は中央値で800万円。老後必要となる必要資金はひとそれぞれです。

かつて「老後2000万円問題」でも注目を浴びた2000万円をひとつの指標と考えても、リタイヤまでの距離が近い50代にとっては、少々心配な貯金額かもしれません。