「2022年春、相続に関連するルールが大幅に変更するかもしれない」
最近そんな報道をしばしば耳にします。相続税を減らす手段として知られる、いわゆる「暦年贈与」が廃止される可能性なども含まれているようですね。
若い世代の中には、自分は老後、相続税対策が必要なほどお金を持っているかな?と感じた人もいるはず。
70代以上のシニア層は、好景気に現役時代を過ごした人が多い世代です。平成・令和を生きる若者と比べ、貯蓄や年金の面で恵まれているイメージを持たれることも多いでしょう。
今回は、イマドキ70代以上世帯の「金融資産事情」をのぞいたあと、この世代の「遺産」に関する意識についても見ていきます。
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70歳以上世帯には「金融資産」がどのくらいあるのか
金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果」から、70歳以上・二人以上世帯の金融資産保有額を見てみましょう。
70歳以上・二人以上世帯の金融資産保有額
(含:金融資産非保有世帯)
平均:1786万円・中央値(※):1000万円
大半の人がリタイヤ後の年金生活を送る70代以上世帯の金融資産保有額の平均は1786万円。より実態に近い中央値は1000万円でした。
保有額の分布を見ると、金融資産非保有を含めた「100万円未満」の回答割合が22.9%。その一方で「2000万円以上」が29.4%存在します。「持つ世帯・持たざる世帯」の二極化がみられますね。
70代以上・二人以上世帯「金融資産保有額」の分布
(含:金融資産非保有世帯)
- 金融資産非保有:18.6%・100万円未満:4.3%
- 100~200万円未満:4.1%・200~300万円未満:2.6%
- 300~400万円未満:3.0%・400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:6.5%・700~1000万円未満:6.3%
- 1000~1500万円未満:11.9%・1500~2000万円未満:8.0%
- 2000~3000万円未満:10.4%・3000万円以上:19.0%・無回答:2.6%
次では、70代以上世帯が、金融資産をどのように保有しているか見ていきます。