住宅資金、教育資金、そして老後資金は「人生の三大資金」。どれも計画的に準備していく必要があります。

なかでも老後資金は「いつまでに・どのくらいあればいいのか」見当がつきにくいものですね。また、20代・30代の若いころから老後の暮らしにまで考えが及ぶ人は少数派でしょう。

シニア世代の就業を後押しするしくみが整いつつあるとはいえ、いつまで働けるかは仕事内容や健康状態にもよりますね。私たち現役世代は、長寿時代を見据えて老後資金をしっかり準備しておく必要がありそうです。

老後の資金に2000万円、ないしはそれ以上が必要といわれるこんにち。シニア世代がどのくらいの老後の資金を持っているかを知ることは、現役世代の私たちが貯蓄ペースを考えるうえで何らかの参考になるでしょう。今回は、還暦60歳代前後の貯蓄事情の変化に着目していきます。

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50代~70代「還暦前後」世帯の貯蓄はどう動く?

では、金融広報中央委員会が公表した最新版「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」をもとに、50代以降世帯の貯蓄額を追っていきます。

中央値は数値を小さい順、あるいは大きい順に並べた時、真ん中に位置する数値。「平均」は一部の極端に大きい値に左右されるため、実感により近い中央値を参考にするとよいでしょう。

世代別「金融資産保有額」(金融資産非保有世帯も含む)

  • 50歳代・・・平均1684万円:中央値800万円
  • 60歳代・・・平均1745万円:中央値875万円
  • 70歳以上・・・平均1786万円:中央値1000万円

世代ごとの貯蓄金額は、平均・中央値ともに年代とともに上昇しています。50代以降は、平均が1000万円台後半をキープしながら、中央値は1000万円を目指して徐々に増えていますね。

資産全体を把握するうえでは、マイナスの資産にも目を向ける必要があるでしょう。次では借入金額も見ていきます。