60代世帯の現状から「働く世代」がすべきこと
ここまで60代世帯の貯蓄と金融資産の内訳を見てきました。みなさんお気づきだと思いますが、資産運用を計画的にすることは、貯蓄を増やす非常に大切なポイントです。
ファイナンシャルアドバイザーの筆者の視点から、私から働く世代向けに資産運用の二つのポイントをご紹介します。
① 「複利・長期・積立」投資の視点を
資産運用は長期スパンで考えていかれることをお勧めします。
時間の経過とともに「増え方」が加速する複利のメリットを最大限に活かし、雪だるま式に資産を増やしましょう。
さらに積立投資のスタイルであれば、買付のタイミングが分散できるため、高値づかみを防ぐことに繋がります。より安定感が増す効果が期待できます。
ここで例を挙げてみましょう。
「毎月2万円を20年間積立て、年率6%で運用できた場合」でシミュレーションしてみると、最終的な合計額は以下のようになります。
【積立元利金合計額】※金融広報中央委員会「知るぽると しっかりシミュレーション」を用いて試算
- 単利で運用した場合:710万4924円
- 複利で運用した場合:795万6867円
【単利・複利のちがい】
- 単利:「元本のみ」に利息がつく方法
- 複利:「元本+利息」に、さらに利息がつく方法
このように、積立金額は同じでも、合計額に大きな差が出ることが分かりますね。20年、30年先を見据えた目線を持ちながら、運用を行う視点を持たれることをお勧めします。
② リスクに備える「保障」を考える
これは①を実現するために必要な考え方です。
20年~30年といった長期間運用を続けていくことを想定した場合、実はこれが非常に重要となってきます。
病気やケガ、失業といったまさかのアクシデントで収入が激減し、途中で資産運用を続けることができなくなる可能性もあります。
こうした場合に備え、働けなくなった場合や、介護が必要となった場合などに対応する最低限の保障を準備していくことをぜひお勧めします。