年金制度は2階建てとなっており、1階部分である原則20歳以上全員が加入する「国民年金」と、2階部分の会社員が加入する「厚生年金」があります。

この将来の年金額を知るには「ねんきん定期便」があります。こちらは誕生月に届くようになっていますが、中身を確認されたことはありますか。

ちなみに50歳未満と50歳以上に届くねんきん定期便では、内容に違いがあります。50歳未満では「今までの加入実績に応じた年金額」が記載されているのに対し、50歳以上には「老齢年金の種類と見込額」が記載されています。

今回は、将来の大事な収入源となる年金(国民年金・厚生年金)に注目し、その違いとひと月の受給額をみていきましょう。

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1階部分「国民年金」ひと月の受給額の分布

国民年金を受け取るには、国民年金保険料の支払いが前提です。日本年金機構によると、昭和36年4月~昭和41年12月における35歳以上の保険料は、月額150円でした。少子高齢化などに伴い保険料は年々上昇し、令和3年4月~令和4年3月は1万6610円です。

20歳から60歳までの40年間、保険料を納めた場合には、令和3年4月分からの国民年金の満額(月額)は6万5075円、年額78万900円となります。

ではさっそく、厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」をもとに、現在の国民年金受給者の分布を見てみましょう。

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(男子年金月額:総数)

  • ~1万円未満:1万2693人
  • 1~2万円未満:6万803人
  • 2~3万円未満:22万1983人
  • 3~4万円未満:70万6206人
  • 4~5万円未満:134万5582人
  • 5~6万円未満:312万4529人
  • 6~7万円未満:849万4551人
  • 7万円~:38万1323人

(女子年金月額:総数)

  • ~1万円未満:6万6247人
  • 1~2万円未満:24万4695人
  • 2~3万円未満:74万63人
  • 3~4万円未満:226万4161人
  • 4~5万円未満:336万406人
  • 5~6万円未満:454万1337人
  • 6~7万円未満:598万7227人
  • 7万円~:144万306人

全体平均年金月額:5万5946円

  • 男子平均月額:5万8866円
  • 女子平均月額:5万3699円

国民年金満額(月額)6万5075円に対し、平均額が5万5946円。満額との差は約1万円あると分かります。