うっかりミスで年金がもらえなくなることも……
低年金や無年金になってしまう理由の一つとして挙げられるのが『不整合記録問題』と呼ばれるものです。
厚生年金保険の加入者(第2号被保険者)の扶養に入っていた「第3号被保険者」の期間は、国民年金保険料の負担は必要ありません。かつ、その「第3号被保険者」だった時期も「保険料納付済み期間」とみなされ、老後に受け取る年金額に反映されます。
ところが、「第3号被保険者」から「第1号被保険者」への切り替えを行い、自分で国民年金保険料を納付する必要が出る時があります。例えば以下のようなケースです。
自分を扶養していた配偶者に次のような変化があっって、「第2号被保険者」ではなくなった場合
- 退職した
- 脱サラして自営業を始めた
- 65歳を超えた
自分自身が
- フリーランスなどで仕事をして基準額以上の収入となり、配偶者の扶養からはずれた
- 自分を扶養していた配偶者と離別・死別した
つまり、「サラリーマン(会社員や公務員など)の配偶者の扶養から抜ける」タイミングです。
自分自身が就職して厚生年金に加入したり、厚生年金に加入する夫や妻に扶養される場合、自分(もしくは配偶者)の勤務先に届け出れば手続きしてもらえますね。その要領で「第3号から第1号へは自動的に切り替わるものだろう」と判断してしまう人も、中にはいるでしょう。
ところが「第1号被保険者」に切り替えをする場合は、市区町村役場の国民年金窓口に行き、自分で手続きをする必要があるのです。
ここでうっかりこの手続きを忘れ、年金保険料の未納期間が発生してしまうケースがしばしばあります。これを「3号不整合記録問題」と呼びます。
切り替え手続きをせず、年金保険料を未納のまま放置した場合、過ぎた期間については年金保険料の納付ができません。将来の年金額が減るだけで済むならまだしも、さきほどの「資格期間」が10年に満たなくなると、無年金になってしまいます。働き方やライフスタイルが変わった場合、「年金の手続きは忘れていないかな?」とぜひ確認してみましょう。
「不整合記録問題」の救済措置とは
ちなみに、不整合記録問題の救済措置として「特定期間該当届」なるものが存在します。
年金事務所で手続きを行い、届出をしていなかった期間を受給資格期間に繰り入れてもらうことが可能です。(ただし、未納期間は反映されるため、老後の受給額は減額となります)