共働きが増える現代。子どもの入園や入学を機に、「パートをはじめようか」「パートでも扶養を外れるか、扶養内で働くか」など、働き方を悩まれる女性も多いですよね。

よく風邪を引く子どもの看病をしたり、習い事の送迎や行事に参加したりと育児をしていると、仕事との両立は難しいところもあるでしょう。一方で自分自身も年齢を重ねてくると、いつ正社員に転換しようか、このままパートで働くかなどキャリアに迷いも出てきやすくなります。

目の前の日々の生活や教育費、住宅ローンなどとともに働き方も考えるものですが、つい後回しになるのが老後資金です。「老後まで考えられない」という声も聞きますが、年金だけでは生活できないという話もあり、不安も残りますよね。

実際に今のシニア世代はどれくらい年金を受給しているのでしょうか。男女別と、夫婦の働き方の組み合わせごとにみていきましょう。

国民年金、月額の平均はいくら?

国民年金は原則20歳以上60歳未満の方が加入するもので、年金の「1階部分」と言われています。

まずは自営業や専業主婦、扶養内でパートをされている方などが受給する国民年金の受給額について、厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」から見てみましょう。

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【国民年金】男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
〈男子〉平均年金月額:5万8866円
~1万円未満:1万2693人・1万円~2万円未満:6万803人
2万円~3万円未満:22万1983人・3万円~4万円未満:70万6206人
4万円~5万円未満:134万5582人・5万円~6万円未満:312万4529人
6万円~7万円未満:849万4551人・7万円以上:38万1323人
〈女子〉平均年金月額:5万3699円
~1万円未満:6万6247人・1万円~2万円未満:24万4695人
2万円~3万円未満:74万63人・3万円~4万円未満:226万4161人
4万円~5万円未満:336万406人・5万円~6万円未満:454万1337人
6万円~7万円未満:598万7227人・7万円以上:144万306人

国民年金の平均年金月額は5万5946円。男女差がそこまでないのも特徴です。

厚生年金、月額の平均はいくら?

厚生年金は「2階部分」と言われており、会社員や公務員などが上乗せして受給するものです。加入月数や収入額に応じて受給額も変わるため、差が出やすいといわれています。

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【厚生年金保険(第1号)】男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
※厚生年金保険(第1号)の平均年金月額には老齢基礎年金月額が含まれます。
〈男子〉平均年金月額:16万4770円
~5万円未満:15万977人・5万円~10万円未満:97万6724人
10万円~15万円未満:261万3866人・15万円~20万円未満:436万9884人
20万円~25万円未満:224万9128人・25万円~30万円未満:28万8776人
30万円以上:1万7626人
〈女子〉平均年金月額:10万3159円
~5万円未満:31万5100人・5万円~10万円未満:234万1321人
10万円~15万円未満:218万2510人・15万円~20万円未満:41万2963人
20万円~25万円未満:6万3539人・25万円~30万円未満:4166人
30万円以上:379人

人数を比較して分かる通り、女性は男性の半分ほど。その受給額も、男女で約6万円の差があります。

これは女性が育児や介護で離職したり、扶養内のパートで働いたりする方が多いことが影響しているでしょう。

夫婦の働き方別、ひと月の受給額は?

それでは厚生労働省の「平成29年老齢年金受給者実態調査(特別集計) 」を参考に、夫婦の働き方別にいくら受給できるのかをみてみましょう。

【現役時代の働き方別】配偶者あり世帯の平均年金額と分布(月額)

夫は正社員中心・妻はパート・アルバイト中心:平均24万9000円

  • 月額10万円未満:1%
  • 月額10~15万円未満:3%
  • 月額15~20万円未満:9%
  • 月額20~30万円未満:75%
  • 月額30万円以上:11%

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夫婦ともに正社員中心:平均28万7000円

  • 月額10万円未満:1%
  • 月額10~15万円未満:3%
  • 月額15~20万円未満:6%
  • 月額20~30万円未満:53%
  • 月額30万円以上:37%

夫は正社員中心・妻は収入を伴う仕事をしていない期間中心:平均26万3000円

  • 月額10万円未満:1%
  • 月額10~15万円未満:3%
  • 月額15~20万円未満:4%
  • 月額20~30万円未満:72%
  • 月額30万円以上:19%

夫婦ともに自営業中心:平均15万8000円

  • 月額10万円未満:19%
  • 月額10~15万円未満:42%
  • 月額15~20万円未満18%
  • 月額20~30万円未満:15%
  • 月額30万円以上:7%

※「正社員中心」とは、20~60歳までの40年間のうち、20年を超えて正社員などだったもの(他についても同様)

一般的に多い「正社員の夫とパートの妻」の夫婦では月に約25万円。夫婦ともに正社員では約28万円です。その差は約3万円ですね。

「正社員の夫と妻が収入を伴う仕事をしていない期間中心」のほうが、妻がパートよりも金額が高くなっていますが、夫の収入額が多いのが一因と考えられます。

より具体的に見ていくために、今のシニア世代の現役時代の働き方を男女別にみてみましょう。

65歳以上・老齢年金受給者の現役時代の働き方

男性

  • 正社員中心:68.8%
  • 常勤パート中心:1.8%
  • アルバイト中心:1.2%
  • 自営業中心 :17.0%
  • 中間的な経歴:2.4%
  • 不詳:8.5%

女性

  • 正社員中心:22%
  • 常勤パート中心:15.4%
  • アルバイト中心:2.4%
  • 自営業中心 :16.5%
  • 収入を伴う仕事をしていない期間中心:17.7%
  • 中間的な経歴:11.3%
  • 不詳:14.7%

男性は正社員が多くを占め、次いで自営業の方が多いですね。

一方で女性で最も置いのは正社員で、次に収入を伴う仕事をしていない期間中心(専業主婦など)、自営業、常勤パートです。女性の働き方は多岐にわたりますね。想像していたよりも専業主婦の方が少ないと感じられた方もいるのではないでしょうか。

今の時代だからこそ、はじめたいこと

これまで今のシニア世代の年金額や働き方を見てきましたが、働く世代が年金を受給する頃には、少子高齢化の影響もあり年金額が減ると考えられます。

とはいえ、日々の生活費に教育費、住宅ローンも払うとなると、なかなか老後資金まで準備するのは難しいですよね。

老後資金の準備法として、一つ考えてほしいのが資産運用です。資産運用というと大儲けや大損というイメージがあるかもしれませんが、投資する対象を分散して、長期間で毎月コツコツと積み立てていく方法がいま注目されています。

iDeco(個人型確定拠出年金)やつみたてNISA制度を耳にしたことがある方も多いと思いますが、これは自分で投資信託などを選んで、毎月一定額を積み立てていくもの。投資をすると通常は運用益に20.315%の税金がかかりますが、これらの制度であれば非課税です。

たとえば「毎月3万円・年利5%・30年間」で運用した場合は約2496万円です。銀行預金のみなら、30年間で約2500万円を貯めるには月約7万円が必要に。前者のほうが現実的と感じる方も多いのではないでしょうか。

もちろん運用なのでリスクはありますし、自分にあった金融商品を選ぶ必要もあります。ただ低金利の現代では、老後資金を貯めるための選択肢の一つとして有効でしょう。

今ではオンラインセミナーなどで情報収集もできるので、自分の老後のために検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子