毎月なんとなく年金保険料を払いつつも、将来受給する額については、これまで考えてこなかったという方は少なくないでしょう。
年金には原則20歳以上60歳未満の方が加入する「国民年金」と、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」があります。特に厚生年金は、加入する月数や収入に応じて受給額に差が出やすいといわれています。
将来ひとりで生きていく「おひとりさま」の中でも、女性は特に年金額がさまざま。未婚でずっと会社員の方はなかには男性並みの年金額の方もいますが、離婚された方は一度退職された方も多く年金額が少なくなりやすいでしょう。
今のシニア世代のおひとりさまは、未婚・離婚別でひと月どれくらい年金を受給しているのでしょうか。現役時代の仕事の経歴についてもみていきましょう。
今のシニア世代の厚生年金の月額は?
まずは厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」から、厚生年金のひと月の受給額を男女に分けてみていきましょう。
厚生年金保険(第1号)【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:15万977人・5万円~10万円未満:97万6724人
10万円~15万円未満:261万3866人・15万円~20万円未満:436万9884人
20万円~25万円未満:224万9128人・25万円~30万円未満:28万8776人
30万円以上:1万7626人
厚生年金保険(第1号)【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:31万5100人・5万円~10万円未満:234万1321人
10万円~15万円未満:218万2510人・15万円~20万円未満:41万2963人
20万円~25万円未満:6万3539人・25万円~30万円未満:4166人
30万円以上:379人
※基礎年金(国民年金)月額部分を含みます。
【厚生年金】全体平均月額:14万4268円
- 男子平均月額:16万4770円
- 女子平均月額:10万3159円
厚生年金は男女の平均月額を見ても、約6万円と大きく差が開いています。これは女性の方が結婚や育児、介護で離職される方が多いからでしょう。
ボリュームゾーンも異なっており、男性で最も多いのは「15万円~20万円未満」。女性で最も多いのは「5万円~10万円未満」です。
女性はひと月10万円未満の方の割合が大きいですが、男性はひと月15万円以上、なかには20万円以上の方も一定数いますね。
これを参考にしながら、女性のおひとりさまの受給額を未婚と離婚に分けてみていきます。