収穫までのお世話は?

ゆずの葉は一見すると通常の楕円に見えるのですが、よくみると途中にくびれがあり、2枚連結したような形をしています。ゆずの葉はアゲハチョウが好んで食べます。葉が茂り始めたら、よく観察して見つけたら取り除きましょう。

葉の茂り方によって収穫量や風味が左右されるので、できるだけ葉を多く確保するようにします。順調に生育すれば、春から初夏にかけて白いかわいい花を咲かせます。

花が多く咲き、実がたくさんできると自分から実を落とす場合があります。これは「生理落果」という自然現象の可能性があります。この場合はあまり心配はいりません。

花が咲いた後は、夏から秋にかけて実がなります。収穫適期は秋から冬です。

その他の注意点は?

ゆずは接ぎ木苗で育てると3~5年程度で結実すると言われています。苗を買って植えても、若い苗木だとすぐには結実しない可能性があります。気長に育てる根気も必要です。

また、すみずみまで日光を行き渡らせ、結実しやすくするために剪定作業が必要になります。主幹からそれぞれ異なる方向へ斜め上に伸びた3本を主枝とする開心自然形に仕立てます。

この作業は4年めくらいまでに行い、樹形を完成させます。剪定の適期は3~4月です。

ただ、剪定は初心者の方には難しい作業でもあります。ある程度大きく育ってから、各枝に日光が当たるように樹形を整えても問題ありません。その場合も、斜め上に向いたしっかりとした枝を残すようにして、日光が当たらず葉が枯れてしまうような枝は整理します。

柑橘類の木は実をつけた枝には、翌年実はなりません。前の年に新しくのびた枝に花芽がつきます。剪定のときはこの点に注意する必要があります。

まとめにかえて

ゆずは観葉植物として育てることも可能です。あざやかな緑葉や白い花が目を楽しませてくれることでしょう。花や葉から漂う柑橘類のフレッシュな香りもまた格別です。

実をつけるためには、しっかりとした日当たりやお世話が必要ですが、自宅でゆずが収穫できるのはなんともいえない風情があります。興味がある方はぜひチャレンジしてみてくださいね。

参考資料

農林水産省「特産果樹生産動態等調査 / 確報 平成30年産特産果樹生産動態等調査」

LIMO編集部