厚生年金だけに頼らない老後を

では、年金受給額の格差を埋めるにはどうしたら良いのでしょうか?

それは、老後の生活を年金だけに頼らないものにすることが大切です。

つまり、老後になる時点である程度の大きなお金を作っておく必要があります。

具体的に話していきましょう。

例えば、30歳の会社員の方が、年金受給開始となる65歳までに、毎月3万円貯金をしたとします。

その場合、65歳時点で1260万円を総額で作ることができます。

年金以外に使えるお金が1260万円になりますので、90歳まで生きたとしたら毎月の年金に加えて4万2000円分使えるお金が増える計算になります。

では、3万円を貯金ではなく、今流行の米国の株価指数であるS&P500の投資信託を使って資産運用をしたとしましょう。

金融庁「安定的な資産形成に向けた取組み(金融税制金融リテラシー関連)平成30年11月16日」によるとS&P500は、1980年から2017年の37年間にかけて19.7倍になっていますので、年率になおして計算すると約8.4%で運用出来ていたことになります。

このケースで、先程の貯金と同じ金額で30年間運用したとすると、金融庁「資産運用シミュレーション」で試算すると約4850万円という結果になります。

なお、この金額は税金や手数料等は考慮していませんので、その点は注意してください。

つまり、年金以外で約16万円の使えるお金が、毎月90歳まで受け取れる状態になるのです。

貯金だと1260万円で、資産運用だと4850万円なので、その差は3590万円になります。

資産運用は必ず儲かるわけではなく、損をするなどのリスクはありますが、一度検討する価値はあるのではないでしょうか?