秋の気配を感じるようになりました。もうすぐ敬老の日がやってきます。長引くコロナ禍、離れて暮らす高齢の親と思うように交流が持てずもどかしい思いをされる方も多いでしょう。日頃の気持ちを、ぜひ、電話やメールで伝えたいものですね。

さて、親子関係が良好であっても、「まさかの時」のこと、とりわけお金の話はしづらいものです。

でも、急に入院したら? 意思の疎通ができなくなったら?

親の加入している保険や資産状況を把握していないといざという時に慌ててしまいます。このような、親が高齢になると避けられない問題に対して、どのような準備をしたらいいのか、FPの立場からご提案したいと思います。

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どうする?①「親の資産状況」を把握するために

親がいくら資産を持っているのか、普段は気にしていない、もしくは知るきっかけがないという方も多いでしょう。しかし、親が高齢になると、介護や相続などが現実問題として突き付けられます。

いざその時に親の資産状況を把握していないと、さまざまな面倒やトラブルが起こる可能性が・・・・・・。

資産は銀行預金だけでなく、証券などの金融商品、保険、不動産、貴金属など多岐に渡ります。また、昨今は仮想通貨などのデジタル資産を保有する人も増えました。

こうした資産は、本人ですら把握しきれていないケースがあります。まして、本人以外は知りようもありません。まずは親にどのくらいの資産を持っているかを書き記す「資産の棚卸し」をしてもらうことから始めてみてください。

親としてはいきなり、「資産状況をまとめてほしい」と我が子から言われるのも嫌な気分になるでしょう。子の側も、どう切り出せばいいか迷うところです。

そこで活用してほしいのが『エンディングノート』。

エンディングノートは、もしもの時に家族に伝えたい情報を一冊にまとめておけるノートです。各メーカーから様々な種類のものが販売されていますが、だいたい以下の項目が記入できるようになっています。

◆資産状況
◆携帯・パソコンについて
◆親族・友人などの連絡先
◆医療・介護について
◆葬儀・お墓について
◆家族へのメッセージ

資産状況は詳細に項目が分かれていることで、漏れなく記入ができます。たとえばクレジットカードや電子マネーといった項目があれば、思い出して書き記すことができます。また、資産状況は負債も含むので、借入金やローンの項目も重要です。

「エンディングノートって知ってる? これいいよ」とさりげなく渡してみるといいかもしれませんね。

話し合いを忘れずに

エンディングノートは、家族に伝えることを書き記すノートですが、根本は、自分のために自分の情報をまとめる役割を果たすものです。そのため人によっては、書いたことで満足してしまい、一方的な要望だったり、内容が伝わらないものだったりすることがあります。

そこで、エンディングノートの内容をもとに話し合い、親子間で「共通の認識」を作っておくことがたいせつです。

たとえば「A銀行の口座にはこの金額のお金が入っている」という情報だけでは足りません。通帳と印鑑の場所も知っておく必要があります。内容を確認して不十分なところは質問しておきましょう。