2025年8月15日は公的年金の支給日です。公的年金は2カ月に1度の支給となるので、年金受給者にとってこの日はとても楽しみな1日となることでしょう。
老齢年金(厚生年金・国民年金)は、通常65歳から受け取りが始まります。ただし、受給開始時期は本人の選択によって変更することも可能です。「繰上げ受給」で早めることも、「繰下げ受給」で遅らせることもでき、それぞれで受給額が増減します。
この記事では、現在のシニア世代がどのくらいの年金を受け取っているのかを確認するとともに、「繰上げ」「繰下げ」の制度を利用した場合に、どのように年金の総額が変わるのかを「損益分岐点」の視点からわかりやすく解説していきます。
1. 年金額は3年度連続引き上げ!2025年度は前年度から1.9%増額改定
2025年度の公的年金額は、3年連続引き上げられました。2025年度は前年度より1.9%の増額となっています。
1.1 2025年度の年金額の例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
厚生年金は40年間「会社員として月額45万5000円(平均)を稼いだ夫」と「ずっと専業主婦もしくは自営業だった妻」の組み合わせをモデル世帯と想定。上記の年金額は、「夫の老齢厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金」となります。
3年連続のプラス改定となった一方で、実は年金そのものは、実質目減りとなっているのです。