年金増額には「繰下げ受給」の方法あり

国民年金や厚生年金は、それぞれ受給時期を繰り下げでき、月単位で年金額が増額されます。増額された年金は、一生変わりません。

また、令和2021年5月29日、厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立され、2022年4月から年金受給開始時期の選択肢が広まります。

それを踏まえて、「繰下げ受給」についてのメリット・デメリットは以下の通りとなります。

メリット

  • 75歳まで繰下げの場合、最大0.7%×12ヶ月×10年=84%増額

※現行は70歳まで繰下げ可、最大0.7%×12ヶ月×5年=42%増額

デメリット

  • 年金の支給がない間の収入を確保する必要あり
  • 早期死亡の場合、65歳受取時より総額が少ない場合あり
  • 厚生年金において65歳未満の配偶者がいる場合、繰下げ待機期間中は加給年金部分のみの受け取りはできない

繰下げにより年金が増額となる一方で、デメリットもあるためきちんと比較して検討しましょう。

また、年金を繰下げた間は働く予定なのか、繰下げ期間分の必要資産を準備しておくのかなどを考えておく必要があります。

年金の受け取り方もさまざま

公的年金には色々な制度や法改正があり、わかりにくい部分もあるでしょう。また、老後2000万円問題が話題となった今では、「繰下げをして年金を増やしたい」と考えられる方もいると思います。年金を受給するタイミングも、使用する制度も、今後はその人に合わせるようになっていくでしょう。

どの制度を活用し、どのタイミングで受給するのが良いのか、さらに将来は老後資金不足に陥らないかどうか、一度確認しておきたいところですね。毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」を確認すると、50歳未満の方は「これまでの加入実績に応じた年金額」が、50歳以上の方は年額の見込額が記載されています。

毎月赤字になる部分については、個人年金保険やiDeco(個人型確定拠出年金)などの私的年金で準備をすることもできます。老後の貯蓄については、預貯金はもちろん、つみたてNISAなどの制度を利用して資産運用されるのも一つでしょう。

ステイホームが叫ばれる今だからこそ、老後のお金や資産運用について学んでみるといいでしょう。

参考資料