2019年に話題となった「老後2000万円問題」。自分の老後は大丈夫だろうかと、不安になる方も多いでしょう。
老後資金の収支を計算する上で、主な収入となるのが公的年金です。「今から老後資金を準備しよう」と考えた場合、まずは毎月いくら公的年金をもらえるのかを知ることが先決でしょう。
ただ、そうは言っても、自分がいくらもらえるのかは意外と分からないものですよね。
では、実際に公的年金を受け取られている方の現状を参考にみていきましょう。大手都市銀行で17年間、ファイナンシャルアドバイザーとしてお客様の資産運用等を携わってきた私から解説します。
国民年金はいくら受け取れるのか
日本の年金制度は、2階建てといわれています。
- 1階部分:国民年金(日本国内居住の20歳以上60歳未満、厚生年金加入なし)
- 2階部分:厚生年金(会社員や公務員等)
自営業や専業主婦、扶養内パートの方は国民年金のみ。厚生年金は扶養を外れたパートの方で、会社の規模によっては一定条件を満たすことで加入することもできます。
では、まずは1階部分の国民年受給額をみていきましょう。
2020年12月公表の厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金・国民年金事業の概況」(参考資料2)から、国民年金の「年齢別老齢年金受給権者数及び平均年金月額」を見ていきます。
国民年金(平均年金月額)
- 60歳:3万8663円
- 61歳:4万547円
- 62歳:4万944円
- 63歳:4万2464円
- 64歳:4万3286円
- 65歳:5万7440円
- 70歳:5万6947円
- 75歳:5万6056円
- 80歳:5万6853円
- 85歳:5万5958円
- 90歳以上:4万9232円
国民年金受給者全体の平均年金月額:5万5946円
※65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者
国民年金は、年齢による受給額の差はあまりないことがわかります。
では、男女差はいかがでしょうか。
2020年12月公表の厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金・国民年金事業の概況」(参考資料4)を参考にします。
国民年金 男女別年金月額
- 男子:5万8866円
- 女子:5万3699円
以上から国民年金は年齢別の差・男女差はあまりないことがわかりましたね。