日頃の貯蓄や、老後資金の準備を考えたとき、収入とともに支出を把握していくことが大切です。

毎月の支出の中でも「食費」は比較的コントロールしやすい項目かもしれません。ネットスーパーなどを活用すると、購入履歴が家計簿代わりになりますので、日ごろの無駄遣いも把握しやすそうですね。

そこで、今回は二人以上世帯の消費支出と、その中でも「食費」にフォーカスしていきたいと思います!

みんなの年齢別の支出額

まずは、20代~70代以上世帯の「消費支出」がどのくらいかをみてみましょう。世代ごとに違いはあるでしょうか?

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)二人以上の世帯―2020年(令和2年)」第3-2表から確認していきます。

年齢階級別の二人以上世帯の消費支出

平均:27万7926万円

  • ~29歳:25万6544円
  • 30~39歳:26万7618円
  • 40~49歳:31万5958円
  • 50~59歳:32万9937円
  • 60~64歳:29万3170円
  • 65~70歳:27万4798円
  • 70~74歳:24万6656円
  • 75~79歳:23万977円
  • 80~84歳:20万8996円
  • 85歳~:20万413円

リタイヤ世帯を多く含む60歳以上は5歳ごととしました。消費支出が最も多いのは50代ですね。育ち盛りの子供がいる世帯であれば、食費・教育費ともにかかる時期。「お金が右から左に流れていく」といったトホホなお悩みを抱えるご家庭は珍しくないでしょう。

逆に消費支出が最も少ないのは85歳以上の世帯です。

「みんなの食費」ひと月いくら?

どの世代でも、消費支出のなかで最も多くを占めているのが、食費です。

「我が家は住居費が一番高いけど?」とちょっと違和感を感じた方も多いでしょう。

実はこの家計調査の「住居費」平均額(全世代)は1万7365円です。もちろん家賃相場には地域差もありますが、賃貸派の方から見るとかなり少ない金額かもしれません。

「住居費」がこの金額となるのは、家賃の低い給与住宅(社宅)なども含めた金額だからです。また、住宅ローンの返済額については消費支出には含まれない点も注意が必要でしょう。

では、ここからが本題です。みんなの「食費事情」を見ていきましょう!

年齢別「みんなの食費」毎月いくら?

平均:7万6440円

  • ~29歳:5万7747円
  • 30~39歳:7万1438円
  • 40~49歳:8万3248万円
  • 50~59歳:8万2673円
  • 60~64歳:8万146円
  • 65~79歳:7万7893円
  • 70~74歳:7万3924円
  • 75~79歳:7万290円
  • 80~84歳:6万4866円
  • 85歳~:6万3244円

もっとも高いのは、40代、その次が僅差で50代です。20代は5万円台と、やや少なめですが、まだ子どもがいない、いても小さい世帯が多いのかもしれません。

支出が多いのは、1位「調理食品」、2位「野菜・海藻」

すべての世代の平均値でみると、食費の中でも多く支出しているのが、「調理食品」、続いて「野菜・海藻」です。

みんなの「調理食品」支出額

調理食品とはお弁当やおにぎり、お惣菜、冷凍食品などを指します。

平均:1万757円

  • ~29歳:7836円
  • 30~39歳:9331円
  • 40~49歳:1万987円
  • 50~59歳:1万2365円
  • 60~64歳:1万1714円
  • 65~79歳:1万810円
  • 70~74歳:1万459円
  • 75~79歳:9753円
  • 80~84歳:9474円
  • 85歳~:1万544円

コロナ禍で家族の在宅時間が増え、ついつい冷凍食品やコンビニ弁当に頼りがちな筆者も、この平均を押し上げている一人であることは間違いないようですね、ハイ。

ここでは50代がもっとも高くなっています。高齢世帯をみると、70代後半では1万円をきっていますが、80代になると上がっています。歳を重ねると、調理の手間がかからず、火を使わずに食べられるものを購入したいと考える世帯が増えるのかもしれませんね。

「お野菜、食べてますか?」

では、次に支出が多かった「野菜・海藻」についても見ていきます。

みんなの「野菜・海藻」支出額

平均…9237円

  • ~29歳:5053円
  • 30~39歳:6773円
  • 40~49歳:8255円
  • 50~59歳:9006円
  • 60~64歳:9761円
  • 65~79歳:1万424円
  • 70~74歳:1万507円
  • 75~79歳:1万454円
  • 80~84歳:9864円
  • 85歳~:9513円

「野菜・海藻」の支出額は20代から70代にかけて、年齢とともに上がり、60代半ばで1万円の大台に乗りますね。おおむね、世代ごとの「食の好み」の傾向に連動している気がして面白いです。

「唐揚げやカレーよりも、ホウレンソウの胡麻和えとか筑前煮などを食べたいんだよ!」という中高年層が思わず膝を打つ、まさに納得のデータであるといえそうです(笑)。

さらに「生鮮野菜」を眺めると、全体平均は6213円ですが、20代は3662円とかなり少なく、30代4801円、40代5702円、50代6149円と、歳を重ねるごとに支出額が上がっていき、60代以降は6000円台後半になります。

また、85歳以上となると6249円とやや下がりますが、いずれにせよ6000円台はキープしています。もっとも80代以降は食費自体が減るうえ、調理済みのものを買う傾向があるからなのかもしれません。

食費から考える「老後の生活費」

生命保険文化センターの意識調査によると、夫婦2人が老後をひと月暮らすには、最低日常生活費として22万1000円、ゆとりある老後を送るための生活費として36万1000円が必要とされています。

家計調査で「65歳以上世帯」の消費支出額をみると約24万円です。ここでいう「最低日常生活費」を少し超える程度ですね。

ちなみに、標準的な夫婦世帯の年金額は厚生年金の場合約22万円(※1)です。また夫婦ともに国民年金(満額)を受け取れる場合は、夫婦合算で約13万円です(※2)

  • ※1 令和3年度は22万496円。ただし、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
  • ※2 令和3年度の国民年金(満額)は、月額6万5075円です。

日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」

お金と上手に付き合おう!

一度慣れた生活水準を下げることはそう簡単ではないでしょう。年金生活に入ると現役時代よりも少ない金額でやりくりしていく必要がある点は、若いうちから頭に入れておきたいところです。

節約を心がけることは、日ごろの家計管理のキホンですが、引き締めすぎもストレスの源。お金をかけるポイントと、節約するポイントは世帯によって異なります。そのメリハリを上手につけて、お金と上手に付き合っていきたいですね。

節約で浮いたお金を預貯金や資産運用に回していきながら、人生100年時代を見据えた「お金の準備」を意識していきましょう!

参考資料

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、
「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。