人生三大支出は間に合うか

今回年収600万円と1000万円の世帯のお財布事情を見てきましたが、両方に共通するのは、住宅ローンの支払中であることと、18歳未満の子どもがいることです。

「住宅資金・教育費・老後資金」が人生三大支出と言われますが、18歳未満の子がいるということはこれから塾代や大学費用などがかかる可能性が高いでしょう。

日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」によると、高校入学~大学卒業までの入在学費用の合計の平均は約965万円。私立大学の理系になればこれ以上かかり、また子どもが2人となると2倍必要です。

2019年には、老後資金に2000万円が必要だとも話題になりました。これは金融審議会の「『市場ワーキング・グループ』(第21回)厚生労働省提出資料」の調査により、「高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)」が以下のような計算になるという統計です。

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の毎月の収支

  • 実収入:20万9198円(主に年金)
  • 実支出:26万3718円(主に食費など)

赤字:約5万5000円

5万5000円×12カ月×30年(老後を30年間と仮定)=1980万円(約2000万円)

年収600万円や1000万円世帯の貯蓄を見ると余裕がある印象も受けますが、これからかかる教育費や老後資金を考えると安泰とは言いにくい面もあるかもしれません。