お子さんの教育費や住宅ローンといった大きな出費を抱える働く世代の皆さんの中には、毎月コツコツ貯蓄を続けても、その成果がなかなか実感しにくい……と悩む方も多いでしょう。
家族構成やライフスタイルは千差万別ですので、よそ様と貯蓄額を比べる必要はそもそもないのかもしれません。とはいえ、「我が家は同世代の平均と比べて、どの程度貯めているのか?」と気になってしまうのが人間というものです(笑)。
さて、資産を把握するうえで「貯蓄と負債」はセットでみていく必要がありますね。今回は総務省統計局の資料をもとに、働く世帯の貯蓄と負債から求めた「ほんとうの貯蓄額(純貯蓄額)」を、世代ごとに整理していきます!
働く世帯の「貯蓄・負債」
総務省統計局が公表する「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」では、二人以上世帯の貯蓄現在高は1791万円(貯蓄保有世帯の中央値:1061万円)、また負債現在高は572万円(負債保有世帯の平均値:1486万円、負債保有世帯の中央値:1225万円)です。
これを「働く世帯」に絞ると以下の通りです。
二人以上世帯のうち勤労者世帯の「貯蓄と負債」
貯蓄現在高:1378万円
金融機関…1330万円
- 通貨性預貯金:472万円(34.3%)
- 定期性預貯金:393万円(28.5%)
- 生命保険など:305万円(22.1%)
- 有価証券:159万円(11.5%)
金融機関外…48万円(3.5%)
負債現在高:851万円
- うち「住宅・土地のための負債」:791万円
※四捨五入の関係で、各項目の割合の合計は100%ではありません。
勤労者世帯のうち、貯蓄保有世帯の貯蓄現在高は1378万円(中央値は826万円)、負債現在高は851万円です。なお、負債保有世帯に限ると、負債平均値は1569万円、中央値は1466万円となっています。
二人以上世帯全体と比較したとき、負債額が高く、貯蓄額は低くなっています。
世帯主の平均年齢を見てみると、二人以上世帯は59.5歳である一方、勤労者世帯は49.7歳です。働き盛りの世帯は、住宅ローンや子どもの教育費といった、いわば人生の必要経費的な出費が継続的に発生しているケースが多いでしょう。よって、老後のお金のことまで手が回らない世帯が多いことも窺えそうです。