結局、日本だけ所得が上がっていない

ここで、マリさんは自分の給与を時給換算してみます。すると、時給は1184円。ちなみに居酒屋バイト時代の時給が1270円。

さらにマリさんは、“実際の時給"も計算してみます。正社員になると、タイムカードを押したあともクレームなどに対応せざるをえないこともあるからです。

“実際の時給"の計算結果は985円。ちなみに東京都の最低賃金は時給1013円です。

話が脱線しますが、個人的には正社員でも自分の給与を時給換算で計算するのは、とても大事な気がします。そこで見えてくるものは、結構いろいろあるからです。

NHKのWEB特集の話に戻ります。マリさんの話から続いて最低賃金と同じ水準、もしくはそれに近い金額で働く正社員はどれくらいいるかを分析しています。

  • 2020年の最低賃金の1.1倍以下で働く人は3.8%(2007年は1.5%)
  • 2020年の最低賃金の1.3倍以下で働く人は11.7%(2007年は4.1%)

かなりの割合を示していますし、注目すべきは2007年との比較において倍増していることです。

さて、問題はどこにあるのでしょうか。細かい点としては固定残業代50時間は若干、ブラックの雰囲気もありますし、そもそも最低賃金と比較するなら手取りから時給計算するのではなく、額面から計算するのが正しい気もします。ただ、これは粗探しでした。

個人的には、固定残業代があってもよいとは思っていて、要は根本的に日本の所得が上がっていないことが問題だと考えています。そんな先進国はほとんどないですからね。