12月30日の大納会日経平均株価は19,114円、2015年の大納会平均株価に対して、わずか+0.4%と横ばいで1年の取引を終えました。

しかし振り返れば、2016年はいろいろなサプライズがありました。大発会から急落して始まった2016年の日経平均株価は、11月9日の大統領選挙の結果というサプライズを契機に19,000円台を回復しました。

波乱に満ちた2016年。2016年初に日本経済新聞で20人の経営者が選んだ有望銘柄の株価騰落率はどのようになったのか、検証してみました。

2016年の“通信簿”の結果発表:信越化学工業、三菱電機、ダイキン工業が健闘

日本経済新聞はその年の経済見通し、日経平均株価、そして経営者が選ぶ有望銘柄を毎年、特集しています。今回、有望銘柄の上位にランクされた銘柄はいずれも強固なバランスシートを持ち、グローバルにも強い事業を持つ企業群でした。

図表1は、経営者が選んだ上位9位までの12銘柄を2015年末の終値と、2016年のそれとを比較して騰落率(%)を示したものです。

信越化学工業(4063)、三菱電機(6503)、ダイキン工業(6367)がトップスリーの騰落率を見せましたが、残る9銘柄は1桁%のプラスあるいはマイナスの騰落率となり、2015年の騰落率の実績と比べても総じてネガティブな結果に終わりました。

経営者が選んだ銘柄上位12社の株価騰落率(%)

出所:SPEEDAをもとに筆者作成 注:騰落率は2015年12月30日終値に対する2016年12月30日終値の変化率


ちなみに、2015年の実績(騰落率)で1位の大和ハウス工業(1925)、2位の富士フイルムHD(4901)は、2016年の実績はいずれも10%前後のマイナス結果となりました。

参考:新春恒例の日経「経営者が選ぶ有望銘柄」。2015年の結果は?

日経平均株価の高値予想は22,000円以上だった

経営者が見た有望銘柄もさることながら、同じく20人の経営者が2016年の日経平均の高値、安値を予想した結果もなかなか面白いのでご紹介しましょう。

高値予想の平均は22,300円、安値予想は圧倒的に18,000円に集中しました。最高値24,000円を予想したのが信越化学工業の金川会長で、同社の株価は健闘しましたが予想は見事に外れました。最安値17,000円を予想したのが伊藤忠商事(8001)の岡藤社長と東京海上HD(8766)の永野社長のお二人で、ほぼ的中したと言ってもいいのではないでしょうか。

周知のとおり2016年の日経平均株価は年初、年末の19,000円を挟んだ鍋底相場が続きました。高値19,000円台を予想した経営者はゼロの結果となりました。円安、インバウンド、オリンピックに向けた公共事業、賃上げ等強気の背景は当時ありましたが、いずれの要因も道半ばで終始したことが、日経平均伸び悩みの原因だったのではないでしょうか。

2017年の日経平均予想と有望銘柄の経営者アンケート結果がとても楽しみ

2017年元旦の日本経済新聞で恒例の20人の経営者の予想結果が発表されると思われます。
2017年は1月20日にトランプ大統領就任を皮切りに、波乱に富んだ一年となることが予想され、代表的な経営者の見方が注目されるところです。

石原 耕一