一方、女性の場合は、55~59歳で60.2%、60~64歳で74.9%、65~69歳で84.1%と、60歳未満でも非正規雇用の比率が約6割あるため、男性に比べると上昇率は大きくありませんが、やはり60歳を境に非正規の職員・従業員の比率が高まります(図表6参照)。

図表6:55歳以上の年齢階層別雇用者数と非正規雇用者率(女性)

出所:総務省「労働力調査」(令和2年)をもとに筆者作成

おわりに

高齢社会白書にまとめられたデータでは、高齢者世帯の約6割は年間所得300万円未満となっています。とはいえ、現在の高齢者の持家率は9割以上で(二人以上世帯)、かつ老後に必要な貯蓄を保有していることも示されています。

そして、年々働くシニアが増えており、その多くは非正規雇用ではありますが、老後に生活費を稼ぐことも可能になっています。現役世代にとって将来はやはり不安かもしれませんが、本記事で老後のお金まわりについてのイメージを少しでも掴んでいただき、今後のマネープランの参考にしていただけたらと思います。

参考資料

中野 令子