内閣府が全国の60歳以上の男女を対象に行った「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(令和2年度)によると、経済的な理由で日々の暮らしについて「困っていない」(「困っていない」と「あまり困っていない」の合計)と感じている人の割合は全体の3分の2近い63.6%。

いま老後を送っている世代と現役世代では時代背景が大きく異なるため、一概に比較することは難しいですが、筆者も含め多くの現役世代が老後のお金に不安に感じているのとは対照的な結果ではないでしょうか。

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では、シニア世代の所得や資産は実際どのくらいあるか、今回は内閣府が各省のデータをもとに作成した「令和3年度版高齢者白書」から、高齢者のお金事情を見てみましょう。

高齢者世帯の平均所得金額は?

まずは所得について。「高齢者世帯の年間所得平均は312.6万円で、全世帯から高齢者世帯と母子世帯を除いた「その他の世帯」の平均664.5万円の約半分ほどです。ちなみに「全世帯」では552.3万円です。

また、世帯人数が少ないほど生活コストが割高になることを調整して算出された「等価可処分所得金額」の平均でも、全世帯が290.0万円のところ高齢者世帯は218.5万円。その他の世帯の313.4万円の7割ほどになっています。

  • (注1)厚生労働省「国民生活基礎調査」(令和元年)のデータによる平成30(2018)年1年間の所得。
  • (注2)高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、またはこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯。
  • (注3)等価可処分所得:世帯の可処分所得(所得から税金や社会保険料などを除いたもの)を世帯人員の平方根で割ったもの。

所得階層別分布と中央値は?

全世帯と高齢者世帯の所得階層別分布を見てみると、高齢者世帯では「150~200万円未満」が最も多く、300万円未満の世帯で約6割を占めています(図表1参照)。

図表1:高齢者世帯(オレンジ色)全世帯(青色)の所得階層別分布(単位:%)

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出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」(令和元年)をもとに筆者作成

また、先述のように高齢者世帯の所得平均値は312.6万円ですが、中央値は255万円(全世帯の中央値は437万円)です。平均値は極端な値に影響されやすいため、数値を低いものから高いもの(あるいはその逆)へと順番に並べたとき、ちょうど真ん中にくる中央値のほうがより実態を反映していると考えられます。