そして、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯では、所得の全てが公的年金・恩給という世帯が約半数(48.4%)になっています。老後も働くシニアが増えてきてはいるものの、大半の高齢者世帯では老後の収入源の柱は公的年金であることに変わりはないようです(図表2参照)。
高齢者世帯の貯蓄額・負債額は?
次に、高齢者世帯の資産について見ていきます。二人以上の世帯で(以下、すべて同様)世帯主の年齢階級別の貯蓄現在高と負債現在高を見ると、貯蓄現在高は年齢が高くなるにつれ増加し、60代で2330万円と最も多くなります。一方、負債現在高(ほとんどが土地・住宅にかかる負債)は30代の1395万円をピークに減少していきます(図表3参照)。
貯蓄額から負債額を引いた「純貯蓄額」は、世帯主が30歳未満の世帯で▲523万円、30代▲666万円、40代▲48万円、50代1052万円、60代2080万円、70歳以上2183万円。住宅ローンを返し終わるまでは負債が貯蓄を上回る状態が続くことがわかります。
一方、持ち家率は、年齢階級が高くなるほど増加し、60~69歳世帯で91.9%、70歳以上の世帯では92.2%ですから、老後の高齢者世帯の多くは自宅を所有していることになります。