年収がピークを迎えるとともに、教育費や食費、住宅ローンなどの負担が増える40~50代。日々の生活に忙しく、出費が多い時期ではありますが、同時に身近に感じ始める老後資金も気になりますね。

この年代は老後まで約10~20年あるため、老後資金を貯め始めるならまさに今という時期。実際に現代の40~50代はどれほど貯蓄をし、どのような金融商品で老後資金の準備をしているのでしょうか。一部を老後資金にあてる人が多い退職金の平均もあわせてみていきます。

40代~50代の貯蓄額は?

まずは金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年(2020年))」より、40代と50代の貯蓄額の分布図をみてみましょう。

【40代・二人以上世帯】金融資産保有額(金融資産を持たない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:13.5%
  • 100万円未満:8.7%
  • 100~200万円未満:6.5%
  • 200~300万円未満:7.3%
  • 300~400万円未満:5.1%
  • 400~500万円未満:5.4%
  • 500~700万円未満:8.7%
  • 700~1000万円未満:9.0%
  • 1000~1500万円未満:12.7%
  • 1500~2000万円未満:7.3%
  • 2000~3000万円未満:5.1%
  • 3000万円以上:7.6%
  • 無回答:3.1%

平均:1012万円
中央値:520万円

40代の貯蓄額で最も多いのは1000~1500万円未満です。十分貯蓄があるように見えますが、100万円未満~1000万円未満の方は50.7%と半分程度。金融資産非保有も含めると、約6割は1000万円未満です。

平均値が高く見えますが、より実態に近いのは中央値のため、中央値の520万円を参考にするといいでしょう。次に50代の貯蓄です。

【50代・二人以上世帯】金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:13.3%
  • 100万円未満:6.4%
  • 100~200万円未満:5.3%
  • 200~300万円未満:5.3%
  • 300~400万円未満:2.8%
  • 400~500万円未満:3.4%
  • 500~700万円未満:8.3%
  • 700~1000万円未満:9.2%
  • 1000~1500万円未満:11.7%
  • 1500~2000万円未満:5.7%
  • 2000~3000万円未満:10.8%
  • 3000万円以上:13.8%
  • 無回答:3.9%

平均値:1684万円
中央値:800万円

50代でもボリュームゾーンは「1000~1500万円未満」です。すでに2000万円以上の貯蓄を保有している人も24.6%いますね。

100万円未満~1000万円未満の方は40.7%。金融資産非保有の方を含めると約5割が1000万円未満です。40代よりは貯蓄が増えている印象を受けるものの、貯蓄事情が二極化しています。