その福島県には現在57店舗、宮城県には45店舗というように、東北地方そして関東中心に出店しているため、西日本にお住まいの方には馴染みが薄いかもしれません。

幸楽苑のメニューはというと、ラーメンは「中華そば」などの醤油ラーメン6種類、味噌ラーメン9種類、塩ラーメン9種類、つけ麺4種類がラインアップされています。なかでも「プレミアム」の名がつく商品はどんぶりからはみ出るくらいに長いチャーシューが特徴です。

また、餃子とライスの定食や各種ランチ、朝定食などの定食メニューが豊富で、カレーと餃子を組み合わせた定食もあります。前述のように、8月13日から全店でモバイルオーダーに対応していますが、グランドメニューは全商品がテイクアウト可能とされています(ランチおよび一部メニューを除く)。

幸楽苑ホールディングス、近年の業績

次に、幸楽苑を運営する幸楽苑ホールディングスの近年の業績を見ていきます。同社は主事業であるラーメン事業(幸楽苑)の他、業績に占める割合はわずかながらも「いきなり!ステーキ」や「からやま」などのその他外食事業も展開しています。

以下は2017年3月期から2021年3月期まで5年間の業績推移ですが、2019年3月期をピークにその後は下降に転じた形です。

売上高:378億円⇒386億円⇒413億円⇒382億円⇒266億円
営業利益:1.5億円⇒▲0.7億円⇒16.4億円⇒6.6億円⇒▲17.3億円
当期純利益:1.5億円⇒▲32.3億円⇒10.1億円⇒▲6.8億円⇒▲8.4億円
店舗数(直営とFCの合計):546⇒538⇒533⇒482⇒454

2019年3月期までは、メニューの強化や近距離に集中的に出店するドミナント戦略によって増収基調でした。しかし、2020年3月期は利益重視のために店舗数を絞り込んだことが、結果的に業績にネガティブな影響を与えたようです。