2021年3月期はコロナの影響を受け大幅な減収減益となり、自己資本比率も2020年3月期から2021年3月期末にかけて25.6%から18.4%へと大幅に減少してしまいました。
今期2022年3月期・第1四半期の決算は、売上高62.6億円(前年同期は56.3億円)、営業利益▲4.9億円(同▲10.0億円)、最終利益▲0.5億円(同▲7.4億円)。
厳しい状況が続いていますが、前年同期比で赤字幅は目に見えて減少しています。同社では、デリバリーやテイクアウト強化のほか、徹底的な固定費削減が収益改善につながったとしています。
8月26日には、劣後ローンの借り入れで日本政策投資銀行から10億円を調達すると発表。コロナ禍で打撃を受けた期間の運転資金とするほか、デリバリーやテイクアウトのさらなる強化や、デジタル技術活用のための設備投資に充てる計画です。
株価推移と今後の見通し
幸楽苑ホールディングスの株価も2019年5月の上場来高値3455円をピークに低迷が続いています。2020年3月にはコロナショックで1100円近くまで下落。直近の2021年8月下旬は1500円前後で推移しています。
今後については、2026年3月期までの中期経営計画で幸楽苑の店舗数を400店舗に抑えつつ新業態店を100店舗展開する目標を立てています。同社は「いきなり!ステーキ」の他、ダイニングイノベーションとのFC契約によって「焼肉ライク」を展開しているため、新業態店は他ブランドのFC展開になると見られます。
また、外販や通販などの非外食事業の売上高比率を20%まで伸ばす計画を立ており、2026年3月期に売上高500億円を目標としています。
コロナ禍の行方はまだ予断を許しませんが、ワクチン接種が進めば外食産業にも灯りが見えてきそうです。ただ、ラーメン事業が以前の水準に戻ったとしても、売上高500億円を突破できるかは新業態店の成功次第でしょう。「いきなり!ステーキ」自体が低迷する中、新業態店の展開にどんな戦略を取っていくか注目していきたいと思います。
参考資料
- 2022年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(株式会社王将フードサービス)
- 2022年2月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)(株式会社ハイデイ日高)
以下、すべて株式会社幸楽苑ホールディングス発表
- IR情報・財務ハイライト
- 2019年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2021年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2022年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 幸楽苑がモバイルオーダーを全店に導入拡大!
山口 伸