「年収600万を目指したい」「年収600万円の手取りや暮らしって?」と気になっている方もいるでしょう。国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」でみると、年収600~700万円以下の人は339万7000人。全体(5255万1000人)の6.5%と少なめです。
同調査による平均年収は436万円なので、年収600万円というとゆとりのある生活を送れるイメージがありますね。
一方で、年収と手取りは異なりますし、実際の年収600万円の人の暮らしぶりはわかりません。今回は年収600万円の人に視点を当てて、その手取りや世帯別の貯蓄についてみていきます。
まずは年収分布をチェック!
国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」の「(第 16 表)給与階級別給与所得者数・構成比」より、男女をあわせた年収の分布をみてみましょう。
給与階級別給与所得者数・構成比
- 100万円以下:8.7%
- 100万円超 200万円以下:14.2%
- 200万円超 300万円以下:14.9%
- 300万円超 400万円以下:17.0%
- 400万円超 500万円以下:14.6%
- 500万円超 600万円以下:10.1%
- 600万円超 700万円以下:6.5%
- 700万円超 800万円以下:4.4%
- 800万円超 900万円以下:2.9%
- 900万円超 1000万円以下:1.9%
- 1000万円超 1500万円以下:3.5%
- 1500万円超 2000万円以下:0.8%
- 2000万円超 2500万円以下:0.2%
- 2500万円超:0.3%
上記を見て分かるようにボリュームゾーンは「300万円超 400万円以下」。年収600万を超えるのは20.5%で、5人に1人と多くありません。
同調査では、男女別の平均年収は男性540万円、女性296万円。夫婦共働きであれば、世帯年収は600万を超える家庭も少なくないでしょう。
年収600万円の手取りは?
それでは、年収600万の方の手取りをみていきましょう。その前に額面と手取りの違いをおさらいします。
額面と手取りの違い
- 額面:会社から支払われる金額の合計。一般的に給与明細で「総支給金額」に記載されています。
- 手取り:実際に自分が受け取れる金額。所得税や住民税、社会保険料などが天引きされたあとの金額です。一般的に給与明細で「差引支給額」に記載されています。
基本的に支給されるのが「基本給+各種手当」、控除されるのが「社会保険料+所得税+住民税」などです。各種手当は時間外手当や資格手当など、会社によってさまざま。また控除される金額でみると、住民税は住んでいる地域により異なります。
一概に手取りはいくらとは言えずに個人差がありますが、手取りは総支給金額の75~85%程度になることが多いようです。年収600万円で計算してみましょう。
年収600万円の手取り計算
- 600万円×0.75=450万円
- 600万円×0.85=510万円
年収600万円の手取りは個人差がありますが、およそ450~510万円程度でしょう。
【単身世帯】年収600万円の貯蓄は?
実際に年収600万の人はどれくらい貯蓄をしているのでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和2年(2020年)調査結果」を元に、まずは単身世帯の貯蓄事情を探ります。
こちらの統計では年収500~750万円未満の単身世帯を参考にご紹介します。
【単身世帯】年収500~750万円未満の貯蓄
- 金融資産非保有:18.1%
- 100万円未満:9.0%
- 100~200万円未満:2.4%
- 200~300万円未満:3.3%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:5.7%
- 500~700万円未満:11.0%
- 700~1000万円未満:7.6%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:4.3%
- 2000~3000万円未満:7.6%
- 3000万円以上:13.8%
- 無回答:4.3%
100万円未満~500万円未満の人は24.7%、500~1000万円未満の方が18.6%。500~700万円未満と3000万円以上の人が10%を超えており、単身世帯で年収600万円だと余裕があるように思えますね。一方で、金融資産非保有の方も18.1%います。
また、「年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合(金融資産非保有)」をみると、20~25%未満が19.2%と多く、次に10~15%未満の人が16.3%、5~10%未満が15.1%でした。
ここまで単身世帯をみてきましたが、二人以上の世帯も貯蓄をみてみましょう。
【二人以上・勤労世帯】年収600万円の貯蓄と負債は?
貯蓄がある一方で、負債を抱える場合もあります。特に二人以上の世帯では負債を抱えるケースが多いもの。貯蓄から負債を引いた額を「純貯蓄」といいます。
二人以上・勤労世帯では、総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、年収600万円台の貯蓄・負債と純貯蓄をご紹介します。
【年収600万~650万円】二人以上・勤労世帯の貯蓄
- 平均貯蓄額:1209万円
- 平均負債額・・・930万円
・うち「住宅・土地のための負債」・・・874万円
純貯蓄額:1209万円-930万円=279万円
【年収650~700万円】二人以上・勤労世帯の貯蓄
- 平均貯蓄額:1229万円
- 平均負債額・・・920万円
・うち「住宅・土地のための負債」・・・861万円
純貯蓄額:1229万円-920万円=309万円
貯蓄額は両方とも1200万円を超えます。一方で負債はほとんどを住宅や土地で占めるため、住宅ローンを抱えている人が多いと分かりますね。純貯蓄額で見ると、年収の半分程度が多いようです。
資産運用という手段も視野に入れる
年収600万円では手取りが約450~510万円程度で、貯蓄額は単身世帯と二人以上の世帯で異なりました。いま単身の方も、結婚をすると貯蓄や負債が変わる場合もあります。
年収や手取りに注目することは大切ですが、同時に考えたいのが預貯金以外の金融商品での資産運用です。自分で働くのとともに、「お金に働いてもらう」ということも今後は必要でしょう。
働く世代に近年人気が出てきているのがつみたてNISAやiDeco(個人型確定拠出年金)です。毎月コツコツと積み立て、基本的には長期保有をする投資のため、一度商品を決めればすぐに売買することが少ないのが特徴。忙しい現役世代にとっては有り難いですよね。
お金に働いてもらうという視点を持ち、さまざまな方法で資産を増やしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」
- 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」
宮野 茉莉子
