夏休みの宿題の定番でありながら、多くの児童生徒、そして親をも悩ませる読書感想文。自分が子どもの頃に、あらすじばかり書いて字数を稼いだという思い出を持つ方もいることでしょう。

約1カ月に及ぶ夏休みの間、本を読むことが億劫で放置しておくと、気がついたら登校まで残すところあとわずか。あわてて書こうとしても思うように進まず、何を書けばいいのか分からないと頭を抱えてしまうことになってしまいます。

そんな子どもにアドバイスをしてあげたいけれど、親自身も苦手意識があって改善策が思い浮かばないこともあるのではないでしょうか。書店には読書感想文対策として穴埋め形式の本も並ぶほどです。今回は、夏休みの宿題の鬼門とも言える読書感想文をめぐる問題点や対処法を考えていきます。

読書感想文は親にとってもトラウマ!?

夏休みの風物詩のような「青少年読書感想文全国コンクール」は、終戦から10年経った1955年に始まったもので、今年で第67回になります。親も、場合によっては祖父母も、夏休みに読書感想文を書いた経験があるのは、こうした長い歴史が背景にあります。

経験者が多くいながら、いまだに読書感想文が鬼門扱いされているのには理由があります。全ての学校とは言いませんが、国語の授業で作文に時間をかけることはほとんどありません。また、小学校の先生はオールマイティではありますが、作文指導がしっかりできる先生は限られているのが現実です。

実際、筆者の子どもたちを見ていても、毎週末作文を書いて先生がコメントを書くといった宿題が出されたのは、たまたま作文に力を入れている先生が担任になった時だけでした。