小学校では2020年度からスタートした新学習指導要領により、書く機会や起承転結を学ぶ機会は増えていますが、読書感想文の書き方について特別に学ぶことはありません。つまり、夏休みの宿題として出されたとしても、本人任せであり家庭任せです。

しかし、子どもにとっては頼みの綱の親も、かつて感想文に悩まされていたのであれば適切なアドバイス送れないこともあるでしょう。学校における作文指導の現状や親・祖父母世代のトラウマが複雑に絡み、読書感想文は楽ではない課題というイメージが根強くあるようです。

書きやすい本を選ぶことも必要

そもそも、読書習慣が身につくかどうかは家庭によるところが大きいものです。また、普通、子どもにとっては読んでいて楽しいことが優先なので、深く考え自分を見つめるような読書の仕方は一般的ではありません。

小学校に入ると国語の教科書で物語文や説明文を読み、学んでいきますが、ストーリーと自分を重ねてみたり、自分は内容をどう感じたか考え、表現することについて丁寧な指導があることは稀です。読書感想文で書くことがなく、あらすじで字数稼ぎをするのも、こうしたことが一つの要因だと考えられえます。

また、読書感想文を書くのには適切な本を選ぶことも重要です。読書感想文では課題読書と自由読書の2種類があり、課題読書は小学校の部(低学年、中学年、高学年)と中学校の部、そして高等学校の部ごとに決められた課題図書を読んで感想文を書きます。自由読書はその名の通り、児童生徒が自ら本を選びます。

この自由読書で単に面白さだけで本を選んでしまうと、いざ書こうと思っても自分と重ねて感じることがほとんどなく、全く進まないということもあります。