筆者の子どもの1人も、小学校低学年の頃に本選びに失敗してにっちもさっちもいかない状態に。最後はなんとか自分のエピソードと無理やり結び付けて書いていましたが、子ども本人も「もうあんな経験は二度としたくない」と本選びを軽く考えたことを悔やんでいました。

読書感想文から学べることは多い

なにかと苦労がつきまとう読書感想文ですが、夏休みという時間のある環境でじっくり本と向き合う絶好の機会でもあります。読書によって子どもながらの感動や共感、新たな発見や気づきが得られるだけでなく、作文の作法や語彙力向上にもつながりますし、書き終えたときの達成感は大きいでしょう。

今では、夏になると学年に合った本の紹介もされている読書感想文対策本が書店に並ぶようになりました。書き方のコツだけではなく、有名な本を使った例文も載っています。やみくもに頭を悩ませて作文に苦手意識を持ってしまうのも困りもの。こうしたお助けアイテムを賢く利用することも、読書感想文という課題を乗り越える一つの手と言えるでしょう。

ただし、長い目でみれば徐々に子ども自身の考えを文字にできるようになっていくのが望ましいことです。読書感想文からは、「本を読む」「考えを文章化する」「正しい言葉使いを考える」といった様々なことが学べます。こうしたメリットを念頭に置きつつ、親子ともども身構えずに向き合っていきたいですね。

中山 まち子