公務員には、地方公務員と国家公務員の2種類の大きな区分があります。
令和3年度時点では地方公務員は約276万人、国家公務員は約58.8万人です。
国家公務員は国の業務に従事する職員のことで、特別職(裁判所職員・国会議員・防衛省の職員等)と、それ以外の一般職に分かれています。
このうち、給与法が適用されるのは一般職なのですが、その待遇については謎に包まれた存在でしょう。
今回はそんな一般職の国家公務員の退職金事情について詳しく見ていきます。
国家公務員の退職金「2000万円」は何割いるのか
内閣官房公表の「退職手当の支給状況(令和元年度退職者)」の「退職手当支給額別退職手当受給者数」から、今回は「定年退職者」にしぼりました。
■常勤職員の退職金(定年)
- 500万円未満:93人
- 500~1000万円未満:118人
- 1000~1500万円未満:500人
- 1500~2000万円未満:4003人
- 2000~2500万円未満:6672人
- 2500~3000万円未満:1143人
- 3000~3500万円未満:63人
- 3500~4000万円未満:17人
- 4000~4500万円未満:68人
- 4500~5000万円未満:15人
- 5000~5500万円未満:6人
- 5500~6000万円未満:1人
- 6000~6500万円未満:14人
- 6500~7000万円未満:1人
全体の1万2714人の退職金受給者のうち、ボリュームゾーンは1500~3000万円です。
5000万円超という大きな金額を受け取る人もいますね。2000万円以上の退職金を受け取る人の割合は約6割でした。
■うち行政職俸給表(一)適用者の退職金(定年)
- 500万円未満:26人
- 500~1000万円未満:13人
- 1000~1500万円未満:13人
- 1500~2000万円未満:505人
- 2000~2500万円未満:3006人
- 2500~3000万円未満:258人
- 3000~3500万円未満:3人
- 3500~4000万円未満:0人
- 4000~4500万円未満:1人
※4500万円以上の支給者は該当なし
こちらのボリュームゾーンは2000~2500万円となっており、常勤職員に比べ退職金額のバラつきは少なくなっています。
「うち行政職俸給表(一)適用者」の場合も、2000万円以上の退職金を受け取っている割合は8割超です。
民間企業では年々給付型の退職金制度が減っていることを考えると、公務員の退職金はやはり手厚いと言えるでしょう。