令和3年6月に厚生労働省が発表した「令和2年度の国民年金の加入・保険料納付状況」によると、保険料の支払いを全額免除・猶予された人は609万人でした。前年度比で26万人の増加です。
新型コロナウイルスの影響で収入が減り、支払いを免除されたことなどが影響していると考えられますが、国民年金の対象となる第1号被保険者は1449万人ですから、約42%の人が国民年金保険料を支払っていないという事態です。
一方、厚生年金は、原則、勤め先から給与天引きで納付されているため、減収したからといって「免除・猶予」とはなりにくい特徴があります。
収入が下がったときに、給与から厚生年金保険料が引かれなければ助かるのに……と思う方もいらっしゃるかもしれません。
とはいえ、いま支払っている年金保険料は将来の年金受給額に影響してきます。
今回はそんな「国民年金・厚生年金の受給額」と、公的年金最大の懸念点について見ていきます。
国民年金と厚生年金の対象者はどう決まる?
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、全員が国民年金に加入し、将来は老齢基礎年金を受け取ります。
国民年金の加入者は3種類の被保険者に分けられていますが、「第◯号被保険者と言われてもピンとこない」という方も多いのではないでしょうか。
まずはいまの自分の区分や、将来、転職・結婚・出産などで働き方が変わったときにどの区分に該当するのか改めて確認しておきましょう。
■第1号被保険者
- 20歳以上60歳未満の自営業者・農業者とその家族、学生、無職の人など
- 第2号被保険者、第3号被保険者でない人
■第2号被保険者
- 国民年金の加入者のうち、民間会社員や公務員など厚生年金・共済の加入者
- ただし、65歳以上の被保険者や共済組合の組合員で、老齢基礎年金・老齢厚生年金・退職共済年金などの受給権がある人は第2号被保険者とはなりません。
■第3号被保険者
- 国民年金の加入者のうち、第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満の人)