就職活動を控えた大学生が、「就きたい仕事」って、どんな職業でしょうか。

株式会社リスクモンスターが行っている「就職したい企業・業種ランキング」の結果(最新版は2021年3月公表)では、3年連続で1位「地方公務員」、2位「国家公務員」が並んでいます。

公務員は、就職先として若者からの人気が高いことがうかがえますね。また、その社会貢献度の高さや、雇用・給与面での安定性などを魅力として挙げる人が多いようです。

そこで本日は、証券会社で約20年の経験をもち、現在はFPの資格保有者としてファイナンシャルアドバイスを行っている筆者の視点で、公務員と会社員の違いを退職金に着目しながらお話をしていきたいと思います。

地方公務員の退職金事情

まず、地方公務員の退職金事情から見ていきましょう。

総務省の「平成31年地方公務員給与の実態(表-24団体区分別、年度別一般職員の勤続25年以上の定年又は公募認定退職者1人当たり退職手当額)」より、地方公務員の退職金額を抜粋します。

平成30年度(60歳)

  • 全地方公共団体:2133万円
  • 都道府県:2183万9000円
  • 指定都市:2119万3000円
  • 市:2126万8000円
  • 町村:2008万1000円

地方公務員では、所属団体にかかわらず2000万円以上の退職金がもらえていることが分かります。

国家公務員の退職金事情

つづいて国家公務員の退職金事情を確認していきます。

内閣官房内閣人事局の「退職金手当の支給状況(令和元年度退職者)」から、国家公務員の退職金額を抜粋していきます。

常勤職員

  • 定年:2090万6000円
  • 応募認定:2588万1000円
  • 自己都合:316万1000円
  • その他:201万6000円

うち行政職年棒表(―)適用者

  • 定年:2140万8000円
  • 応募認定:2278万円
  • 自己都合:362万7000円
  • その他:265万8000円

国家公務員では、定年や早期退職募集制度である「応募認定」事由で退職する場合は、いずれも退職金は2000万円を超えていることが分かります。

これらのデータからは、地方公務員・国家公務員ともに、おおむね2000万円以上の退職金を受け取っている、という結果になりました。

では、会社員の退職金事情についても次で確認していきましょう。