公務員は「退職金だけ」で老後は安泰か?
では、会社員と比べて退職金が手厚い公務員の老後は安泰なのでしょうか?
「老後いくら必要なのか」、ここでは2019年に話題となった「老後2000万円問題」をもとに検証してみます。
金融審議会の「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」において、「老後2000万円問題」は以下のような試算をもとに提起されています。
この金額だけを見ると、2000万円以上の退職金があれば、老後は安泰のように見えますね。
しかし、この計算には、実は落とし穴があるのです。月の収支の内訳のなかで、住居費が非常に低く設定されている点、そして、介護費用が全く含まれていないという点です。
① 住居費
住居費は、シニア世帯の持ち家比率の高さを反映して、約1万4000円で計算されています。老後も賃貸住宅に住まう予定の方は、家賃分を考慮したうえで「2000万円」に上乗せして資金を準備する必要があります。
② 介護費用
歳を重ねることで、介護が必要となる可能性は誰もが持っています。公的介護保険で賄えない部分は、ご自身の貯蓄から介護費用を捻出していくことになるわけです。
ちなみに、介護に必要となる費用を、LIFULL介護ホームページ「老人ホームの相場」のデータを参考に計算してみました。その結果、平均入居期間の5年間でかかる費用は、サービス付高齢者向け住宅で約1000万円、有料老人ホームで約1900万円となります。